この謎現象について、「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
入力した文字が画面の左上に出てしまいます。原因と直し方はありますか?
(回答)
文字入力欄以外で日本語入力して、入力した文字の行き先がないため、仕方なくそこに表示されてしまっているのが原因です。例えばブラウザで検索する際に、検索欄ではなく、デスクトップを選んで文字入力すると、関係ないところに文字が表示されてしまいます。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
Windows右下の「あ」は、最重要プログラムの1つ!?
英語など、文字をそのまま入力できる言語の場合、キーボードから入力されたアルファベットなどの文字が、アプリケーションソフトなどに直接入力されます。一方で日本語は、日本語入力ソフトがローマ字などで入力された文字を、かなや漢字などに変換し、確定した文字をアプリケーションソフトに送るような動作をしています。Windowsの場合は、「Microsoft 日本語 IME」という日本語入力ソフトが標準で使われており、macOSの場合は、日本語入力プログラムが標準で使われています。
これらの日本語入力ソフトは、入力されたローマ字などから、かなや漢字に変換する機能があり、IME(Input Method Editor)などとも呼ばれています。IMEは、入力した文字を、かなや漢字などに適切に変換する日本語ではなくてはならない最重要プログラムの1つです。
普段は一般的なアプリケーションソフトの入力欄に自然に表示されていて、その存在自体が気付かれていません。日本語入力時にWindowsだと右下、macOSだと右上に「あ」などの表示がありますが、これがIMEの状態表示です。
左上の文字入力欄が表示されたらどうすればいい?
通常、日本語で入力する際も、検索ウインドウや、ワープロソフトなどの入力欄をマウスなどで選んでから入力すれば、その入力欄に変換した文字が自然に送り込まれているので、IMEの存在自体が気付かれていないのかもしれません。文字の入力欄ではない、例えばデスクトップ画面を選んでキーボードから入力すると、文字表示場所がないので、Windowsの場合は左上、macOSの場合は左下に強制的に文字が表示されます。これが、入力した文字が画面の左上などに表示されてしまう現象です。アプリ側の問題などで、文字入力がうまくいっていない場合などにも同じ状態になることがあります。
通常、変なところに文字が表示されているのは、入力欄を間違えて入力していることが原因です。もしもそうなった場合は、入力した内容をバックスペースなどで全て消して、正しい入力欄をマウスなどで選び、文字を入力し直すだけで改善します。
なお、文字変換機能はIMEによって機能や設定が異なります。OS標準以外にも、ジャストシステムのATOKやGoogleのGoogle日本語入力などがあります。それぞれ設定項目が異なっていて、細かな設定ができる場合もあり、漢字への変換効率が違い、新しいワードへの対応なども異なっています。
キーボードにこだわる人がいるように、文字入力を快適にするために漢字変換効率が異なるIMEにこだわってみるのもおすすめです。まずはIMEの設定画面を確認してみましょう。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
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