「Copilot」とは? 勝手に入っていても問題はないの? 何ができるソフトなのか、使い方なども専門家が解説

Microsoftが提供する「Copilot」について、「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が、「『Copilot』とは何?」「どういうソフト?」「何ができる?」といった観点から詳しく解説していきます。

「Copilot」って何? どんなソフト?
「Copilot」って何? どんなソフト?
知らないソフトが勝手にパソコンに入っていたら不安ですよね。仮に「Copilot」というソフトが入っていた場合、問題ないのでしょうか。

「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が、「Copilot」とはどういうソフトで、何ができるのか、詳しく解説していきます。
 

(今回の質問)
「Copilot」というソフトが勝手にパソコンに入っていましたが、問題ないですか? 一体何ができるソフトなのですか?

(回答)
「Copilot」とはMicrosoftが提供しているAIです。EdgeなどのブラウザやWindows上で動作するアプリケーションで、AIのCopilot(副操縦士)にさまざまな操作を代行させるアシスタントのような存在。今後のパソコンの操作がより便利になる可能性のある注目機能です。


どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

「Copilot」とは? 勝手に入っていても問題はない?

OpenAIのChatGPTや、GoogleのGemini(旧Bard)に代表されるような、インターネット上で質問に答え、画像を作成する生成AIが2023年に急速に普及しました。これらの機能がWindows自体に組み込まれ、OS自体が生成AIに対応して、パソコンを便利に使用できるようにした機能がCopilotと考えると分かりやすいでしょう。知らない間に入っていたとしてもそれ自体に問題はありません。

Windowsに組み込まれたCopilot in Windowsは、通常のチャットAIのように一般的な質問に自然な言葉で返信し、画像の作成をする機能があります。それに加え、パソコンの操作方法に関しても人に話すような普通の言葉で聞くと、自然な言語で答えてくれます。

従来、パソコンなどの操作は、パソコンが理解する専用のコマンドを直接入力するか、マウスでアイコンをクリックしてソフトを起動して、人がそのソフトを使うのが基本でした。ソフトの起動方法から操作方法を、使う人それぞれが学習しなければいけなかったのです。しかし、Copilot in Windowsでは、人に話しかけるような自然言語で、パソコン上でやりたいことを入力すれば、質問に答え、代わりにその処理をやったり、その操作方法を教えてくれたりする機能を提供してくれます。

「Copilot」の使い方は? 何ができる?

Copilotを使うには、Copilotのアイコンをクリックするか、Windowsキー+Cキーを起動します。また、2024年からはWindowsパソコンのキーボード右下にCopilotキーが徐々に搭載されはじめているので、そのようなパソコンを使用している場合はキーを直接押すことでも使用が可能です。

例えばCopilotにWindowsの操作方法を人に聞くように質問を入力すると、その返答が自然言語で帰ってきます。場合によってはその操作画面まで表示してくれる操作もあり、まさに、人が難しい操作を学習せずに、代わりにやってくれる副操縦士(Copilot)のような存在になっています。

「Copilot+ PC」とは?

この機能はまだ搭載したばかりで、機能も発展途上です。しかし同時に、パソコン自体の進化も進んでいます。代表的なものが、2024年からWindowsが提供している「Copilot+ PC」。一定以上のAI関連機能を持ったパソコンのことを指します。従来であれば、AI機能を使うためには、インターネットに接続したうえでクラウド上の処理が必要でした。しかし「Copilot+ PC」の場合、高度なAI機能を持っているため、パソコン内で処理することが可能になっています。

とはいうものの、具体的にはどのようなことができるのでしょうか。例として、ここでは目玉機能の1つであるRecall(リコール)を見ていきましょう。これはユーザーの操作をパソコン内でセキュアに記録してくれるという機能のこと。「先週作成した青いグラフ入りExcelファイル」のようなキーワードで、パソコン内で自分が行った操作を簡単に振り返ることができ、操作内容を画面キャプチャと共に記録してくれるのです。自分が過去に何をやったのかをファイル名や更新日で探し出す必要がなくなるので、非常に便利な機能といえます。他にも、簡単なスケッチと完成イメージ文書から本格的なイラストを作成するペイント機能、パソコン上の音声を自動で設定した言語に自動翻訳するライブキャプション機能など、さまざまな機能を追加料金なしでWindowsパソコン単体で利用できるのが「Copilot+PC」なのです。

CopilotのAI機能は、今までなら操作方法を学習しないと使えなかったパソコンを簡単に使いこなせるようになり、さらに高度なことも簡単にできるようになるという、パソコンの新しい可能性を簡単に実現できる機能といえるでしょう。

今後数年はさらなる関連機能が追加されていくと予想される

今後重要になってくるのが、OS自体にこのような生成AI関連機能が組み込まれ、「Copilot+PC」のように利用している端末内でAI機能を簡単に利用できるようになっていくかどうか、ということ。パソコン内でAI関連機能を処理出来れば、データをインターネット上に送る必要もなく、よりセキュアにAI機能が利用でき、さらに利用に追加料金も必要なくなるからです。

ひとまず、少なくともここ数年は、日々新しい関連機能が追加されて改良されていくでしょうし、まったく活用されずに廃れる可能性も低いでしょう。パソコンやAI技術の進化を、Copilotのような機能を実際に使って体験するのは非常に興味深いと思います。

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この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
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