このような現象について、「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
パソコンが異常に熱いです。どうすればよいですか?
(回答)
パソコン自体は使っていればどうしても熱を持ちます。ノートパソコンでもデスクトップパソコンでも、手で触って温かいくらいの熱なら正常ですが、たいして使ってもいないのに触れないほど熱くなっている場合は、本体の故障が考えられます。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
放熱技術が高いパソコンも!
パソコンを使用していると熱を持つのは通常の動作です。例えばノートパソコンのバッテリーを充電しているだけの場合も、ある程度の発熱はあります。スリープ状態の時も内部で動作しているので、何らかの発熱はありますが、このような状況ではそこまで高い発熱はありません。特に負荷のかかることをしていなくても、電源を入れて何らかの画面を出していれば、ほのかに温かいくらいの熱を持つのは通常の動作の範囲内です。
ゲームや動画編集など、パソコンの機能をフルに使った場合などには発熱も大きくなります。それを冷やすためのファンの回転数も速くなり、排熱ファンから温かい風が吹き出します。パソコンは、本体の熱が許容量を超えないように設計されているので、触れないほどの発熱が長く続くことはありません。
特に熱くなりやすい部分はCPUやGPU付近で、ノートパソコンの場合はキーボード表面や、裏面が高負荷な状態を続けているとかなり熱くなることもあります。
各社、そのような高負荷時にも本体が熱くなりすぎないように、安定して高速動作させる技術を争っています。dynabook「エンパワーテクノロジー」、VAIO「TruePerformance」、Panasonic「Maxperformer」などの技術を搭載した製品は、発熱を処理する放熱技術が高く、搭載していない製品に比べて、常に安定して高速動作可能となっています。
ちなみに、スペックはほとんど同じなのに、パソコンに価格差や性能差があるのは、このような高度な技術が組み込まれているかなどの差が理由の1つです。
パソコンを常に安定して動作させるためには、冷却効率を良くするために、風の流入、熱の排出経路は物で塞がないようにしましょう。パソコンを設置する周辺には物を置かないように、余裕を持って設置しましょう。
高温の発熱が続く場合はパソコンに異常があるかも……
その上で、常に触れないほどの発熱が長時間続いているような場合は、何らかの異常が考えられます。例えば、排熱ファンにゴミがつまっている、ファンの回転に問題が発生しているとかの状況ですが、このような状況はパソコンの自己診断プログラムを動かすと、エラーとして分かることもあります。
パソコン自体には問題はないものの、動画編集などパソコンに負荷がかかる作業を長時間行い、パソコン自体が常にかなり発熱しているような状態でも、本体が自動的に発熱を制御するので通常は問題ありません。
ただ、常に熱い状態が続いている場合、使っているパソコンの性能と用途のバランスが釣り合っていない場合もあります。
パソコンの性能は、実際に使う機能が余裕を持って使える製品が適しています。高性能な機能が必要になっている用途には、動画編集やゲーム用途などがあります。動画編集をメインにやりたいとか、ゲームを快適に遊びたい場合は、クリエイター向けやゲーミングPCなどの性能に余裕を持ったパソコンを使用しましょう。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。