今回のテーマは「スピード転職」についてです。
(質問)
4月から新しい会社で働きたいのですが、今からでも間に合いますか?
(回答)
可能性としてゼロではありませんが、一般的な転職活動期間は3カ月程度といわれています。どうしても4月に入社したい事情がある場合は、応募や面接時にその旨を伝えたり、効率的に転職活動を進めるための対策をしましょう。
詳しくは、以下で解説します。
一般的な転職活動期間は「3~6カ月」程度
企業の選考方法などにより多少の違いはありますが、中途採用の選考は書類選考+面接選考(1~3回)が一般的です。加えて、各工程には1週間ほどの期間を要することが多いため、応募から内定まで2週間~1カ月程度はかかると思っていたほうがいいでしょう。ただし、選考に落ちてしまったり、面接日程の調整に時間がかかったりしてしまった場合は転職活動期間が延びてしまうこともあります。また、現職を円満退職するためには、順を追って転職の意を伝えたり、引き継ぎをしたりする期間も必要です。人によっては有休消化も発生します。
上記を総合すると、一般的な転職活動期間として3〜6カ月程度かかることを念頭に置いておきましょう。
4月入社は企業としてもメリットが……!
とはいえ、今からでも4月入社を目指すためにできることはあります。例えば、応募時や面接時に早く入社したい旨を伝えておくことで企業側が考慮してくれる場合も。特に4月入社は、企業としても新卒で採用した社員と同時に研修ができるメリットがあるため、入社時期を検討してくれる可能性が高い時期でもあります。ほかにも、選考回数が少ない企業を中心に応募したり、一度になるべく多くの企業に応募したりすることで内定の可能性を高めるのもいいでしょう。
また、転職時に意外と厄介なのが退職交渉です。円満退職をするためにも、各社で定められている就業規則に則り、内定承諾後はなるべく早く退職交渉を開始しましょう。それと並行して引き継ぎ書の作成などを進めておくことも重要です。
急いで転職活動することによる弊害も
今からでも4月入社を目指すことはできますが、時間に追われて転職活動を進めてしまうことによる弊害もしっかり考慮しましょう。例えば、焦って判断してしまうことで企業の十分な比較検討ができず、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうことは珍しくありません。
また、入社を急ぐあまり引き継ぎなどが万全でない状態で退職日を迎えてしまうこともあるでしょう。引き継ぎ不足により現職に損害が生じた場合、思わぬトラブルに巻き込まれることもあるため注意が必要です。
自信を持って次の会社で働くためにも、やむを得ない事情がある時以外は余裕のあるスケジュールで転職活動にのぞむことをおすすめします。
この記事の筆者:三ツ橋 りさ
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Womantype』の編集を経て、転職サイト『女の転職@type(現・女の転職type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。13年4月~15年12月まで『女の転職@type(現・女の転職type)』の編集長に就任。産育休を経て16年11月より転職サイト『@type(現・type)』の編集長として復職。19年10月より2度目の産育休を取得し、21年5月に復職。21年6月から『type』編集長に就任し現在に至る。