何らかの事情で電車が止まってしまったとき「終日運休」と、案内の看板が出ることがあります。電車を使う方は1度は目にしたことがあるのではないでしょうか。ビジネスシーンでも「終日」という言葉を使うことがありますが「実は、何時から何時までのことを指しているのか分からない……」と疑問に思う人もいます。終日の詳しい意味や使い方の例文を紹介します。
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<目次>
・「終日」の意味とは
・「終日」と「全日」の違い
・「終日」は何時から何時まで?
・ビジネスシーンで役立つ「終日」の正しい使い方と例文
・「終日」を使うときの注意点
・「終日」の類語・言い換え表現
・まとめ
「終日」の意味とは
終日(しゅうじつ)とは、主に「1日中」という意味で使用されます。ただし、明確な時間の定めはないため、人によってその範囲は異なります。
例えば、以下は全て終日と呼ぶことがあるでしょう。
・朝から晩まで
・日の出から日没まで
・会社の営業時間内
日の出の時間は季節によって異なりますし、朝の概念も人それぞれです。つまり個々が思う「だいたい丸1日」といった、少しあいまいな時間軸であることを把握しておきましょう。
「終日」と「全日」の違い
終日と似た言葉である「全日(ぜんじつ)」とは、以下2つの意味を持っています。
・丸1日
・期間内の全ての日程
終日とほぼ似た意味の「1日中」を表現する際に、全日と言うことがあります。また「全ての日・毎日」といった意味も持っており、以下のような文脈で使用することもあるでしょう。
【例文】
「2月1~5日の5日間のテスト期間は、全日8時登校です」
この例文の場合は、5日間全ての日程を指しています。つまり、全日は文脈によって表す期間が異なるのです。終日は最大で1日(24時間)のことしか表せないため、大きな違いがあります。
「終日」は何時から何時まで?
終日には「何時から何時まで」といった具体的な決まりはありません。仮に相手から「終日、対応可能です」と言われたら、具体的な時間を確認しておくとよいでしょう。以下では、それぞれのシーンにおける目安の時間をまとめています。
・ビジネスシーン
ビジネスシーンで終日と表現する場合の、具体的な時間はその会社の「営業時間」が目安です。「9時~17時」や「10時~19時」など、企業が定めている基本的な営業時間内のことを終日と呼びます。
【例文】
「終日、本社におりますのでご連絡ください」
「山田は終日、外出しております」
・公共機関
公共機関における終日は、各機関が定めている受付または営業時間のことです。
例えば市役所の受付時間は、8時~17時前後になっている地域が多いでしょう。また公共交通機関である鉄道における終日は「始発から終電まで」を指しています。
【例文】
「省エネのため役場内は、終日エアコンを弱くしています」
「本日の山手線は、終日遅延が発生しています」
・店舗(レストランやお店の場合)
レストランや小売店、美容院などのお店における終日は、営業時間内のことです。曜日によって営業時間が異なる場合もあるため「その日にお店が開いている全ての時間帯」と捉えておきましょう。
【例文】
「当レストランは、終日禁煙となりますのご了承ください」
「年末は、終日コースメニューのみとなっています」
・日常生活
日常生活における終日が表す時間の長さは、使う人の物差しによって決められます。24時間だと考えている人もいれば、起きてから暗くなる(夕方)までを終日と呼ぶ人もいます。
【例文】
「終日、頭が痛かった」
「終日、家でゲームをしていた」
ビジネスシーンで役立つ「終日」の正しい使い方と例文
ビジネスシーンにおいて「終日」を使う際の例文を5種類紹介します。正しい使い方を把握し、業務に役立ててください。
・終日可能/終日対応可能
「終日可能または終日対応可能」の例文を紹介します。
【例文】
「来週は終日対応可能です」
「終日対応可能なのは、平日のみです」
ビジネスシーンにおける終日の定義は、主に企業の営業時間のことです。つまり「会社の営業時間内なら、始業~終業までいつでも可能です」という意味です。
・終日運休
「終日運休」の例文を紹介します。
【例文】
「新幹線は終日運休となりました」
「終日運休しているのは、工事の影響です」
電車が終電時刻まで動かなくなってしまった際に、終日運休と表現します。
・終日営業
「終日営業」の例文を紹介します。
【例文】
「夏の期間は、終日営業しています」
「終日営業しているコインランドリーを探そう」
2つめの例文は「24時間営業しているコインランドリーを探そう」と言い換えることが可能です。店における終日は、基本的に営業時間のことを指している場合が多いですが、丸1日という意味で使われることもあります。
・終日仕事
「終日仕事」の例文を紹介します。
【例文】
「昨日は、終日仕事で忙しかったです」
「終日仕事のため、買い物は遅い時間にしか行けません」
この場合の終日は、自分の勤務時間を指しています。もし会社の受付時間が9時~20時だったとしても、自分の退勤時間が16時までの契約であれば、9時~16時までの7時間を指して終日と呼んでいることになるでしょう。
・終日不在
「終日不在」の例文を紹介します。
【例文】
「出張のため、終日不在にします」
「終日不在で、ご迷惑をおかけしました」
終日不在は、1日中居ない(居なかった)ことを伝える際に使えます。会社の全営業時間を指す場合と、自身の出社時間のみを表している場合があります。
「終日」を使うときの注意点
終日を、会話やメールなどで使う際は、以下2点に注意しましょう。
・「終日中」は誤用
「終日中」は、二重表現になるため正しくない使い方です。終日のひとことだけで1日中であることが表現できます。
・人によって「終日」の認識が異なる
終日は何時から何時までと決まっていないため、個々の認識によってその範囲が決まります。もし認識にズレがあった場合、ビジネス上のトラブルになりかねません。終日の範囲が分かりにくいときは、具体的な時間を示すとよいでしょう。
「終日」の類語・言い換え表現
終日に似た言葉や、言い換え表現として用いられる単語を4つ紹介します。
・日夜/昼夜
日夜(にちや)・昼夜(ちゅうや)は終日と似た意味で使うことが可能です。
日夜:日中と夜のこと。昼と夜のどちらも含まれる
昼夜:昼間と夜の両方のこと。
どちらも日が出ている時間(日中・お昼)から、夜にかけての全ての時間を指しているため、終日で表現する範囲と近いでしょう。
・四六時中
四六時中(しろくじちゅう)は「いつも・ずっと」などの意味でよく使われます。単語の中に数字の4と6が含まれており、2つをかけ算をすると24になります。つまり、24時間のことを表しているのです。終日も24時間の意味で使われるため、類語と言えるでしょう。
・1日中
終日の言い換え表現で分かりやすいのは「1日中」です。言葉の通り「1日ずっと・いつでも」と伝えたい際に使えます。
・いつでも
「いつでも」という単語も、終日の言い換え表現に使えます。終日の方がやや固い印象を与えるため、シーンによって使い分けるとよいでしょう。
まとめ
ビジネスシーンでよく使われる「終日」という言葉は、使う人やシーンによって指している時間が変わります。クライアントや顧客との約束をする際には、終日ではなく具体的な時刻を伝えたほうが丁寧です。意味や使い方を把握して、相手に伝わりやすいような文脈で使うとよいでしょう。