そんな「スマホ結露」について、携帯電話・スマートフォンの専門家で「All About」ガイドの佐野正弘が解説します。
(今回の質問)
スマートフォンが結露したかもしれません。シリカゲルで直るって本当ですか?
(回答)
内部が結露したスマートフォンを乾燥させて復活させるケースもあるようですが、基本的にお勧めはできません。なるべく修理に出すか、破棄するようにしてください。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
「スマホ結露」はなぜ起こる? 発火の危険性も……
結露とは、急激な温度変化で空気中の水分が固まって水滴、つまりは水になってしまうこと。水は機械にとって大敵なので、結露はスマートフォンにとって決して良い現象とは言えません。ですがスマートフォンにも、急激な温度変化によって結露が生じることは十分あり得るもの。冷たい屋外から急に暖かい部屋に入るようなケースのほか、熱くなったスマートフォンを急激に冷やしたり、あるいは逆に、冷えたスマートフォンを急激に温めたりしても結露は生じてしまいます。とりわけ夏や冬は、急激な温度変化が起こりやすく結露が生じやすいので注意が必要です。
そしてスマートフォンの結露で最も注意すべきは、内部に生じる結露です。なぜなら内部の結露は、電気が通るスマートフォンの中の部品が水浸しになるのと同じ。最悪の場合スマートフォンが起動しなくなる、あるいは発火するなど非常に大きなトラブルへと発展しかねないのです。
中には、最近のスマートフォンは防水性能を備えているから結露しても問題ないのでは? と思う人もいるかもしれませんが、それはスマートフォンの外側の話。内側の部品などに防水処理が施されているわけではないので、内側が濡れてしまえばやはり故障は起きてしまうのです。
乾燥させたら直るとも限らない
では、スマートフォンの内部が結露してしまった場合どうすればいいのでしょうか。シリカゲルなど乾燥剤を用いて徹底的に乾燥させ、復活させたというケースもあるようですが、一度結露してしまったスマートフォンはどこにどのような問題が生じているか分かりません。仮に復活したとしても、そのまま使い続けることは避けるべきです。ではどうすればいいのかといいますと、基本的には修理、あるいは廃棄するのがベストです。もちろん修理や、廃棄後の買い替えには相応のお金がかかってしまいますし、スマートフォンの中に入っていたデータがなくなってしまうなど多くの問題が生じるのですが、安全ではないスマートフォンを使い続け、後で火災など、より大きなトラブルが生じる方が怖いことは覚えておくべきです。
そうした万が一の故障のためにも、スマートフォンの補償サービスに加入することや、日頃からバックアップを取ることなどは欠かさないようにしましょう。お金がかかる、手間がかかるなどの理由でそれらを避ける人もいるかもしれませんが、結露に限らずスマートフォンの故障はいつ生じるか分からないものだけに、“備え”をしておくことを強くお勧めします。
この記事の筆者:佐野 正弘
エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手掛けた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在は業界動向から、スマートフォン、アプリ、カルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手掛ける。
エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手掛けた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在は業界動向から、スマートフォン、アプリ、カルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手掛ける。