節電したり、性能を引き出したりと、家電は上手に使いたいもの。ですが、使用法はさまざまな説やウワサがあって、どれが正解なのか分からなくなってしまいますよね。
アンケート調査では「つけっぱなし」派が多数?
「つけっぱなし」と回答した人のコメントを見てみると、「オン・オフで電力を食うと聞いたことがあるから」(40代男性/東京都)「つけ始めが1番電力を消費するから」(30代男性/千葉県)といったものがありました。
一方、「こまめに消す」と回答した人のコメントには、「消してもある程度余熱が残るので、こまめに消す方が節電になる」(50代男性/北海道)「いない時までつけるのはもったいなく感じる」(30代男性/兵庫県)といったものが。正しい使い方はどちらなのでしょうか?
「30分以内」ならつけっぱなしが節電に!
「30分程度」なら、つけっぱなしがお得といえます。冬の暖房は外気温が低ければ低いほど、運転を停止した直後に室温が急低下してしまいます。そのため、短時間でこまめに消すのはおすすめできません。その目安は「30分程度」です。それを示した実験結果があるので紹介しましょう。
この実験では、最高気温7.8度の日に設定温度24度で行ったものです。決して極寒と言える外気温ではないため、外気温が氷点下の場合はさらに室温が急低下する可能性があります。外気温や住宅の断熱性能などによって結果が変わる可能性はあるものの、冬は夏に比べて外気温と設定温度の差が大きいケースが多いため、設定温度を変えても似たような結果になると推定されます。
こまめにオン・オフすると電力を消費するワケ
では、なぜ小まめにオン・オフした方が消費電力量が多くなってしまうのでしょうか。それは急激に下がった室温を再度上げるため、エアコンがフルパワーで運転するためです。この実験だと、30分後に再度オンにしたときには室温が5~6度も下がっていたため、再度24度まで上げるためにフルパワーで稼働しなければならなくなります。つけっぱなしの場合は24度まで上がった室温をキープするだけで済むため、大きな消費電力を必要としません。そのためこういった結果になるのです。
この実験では、深夜~早朝(23:00~6:00)で約41%、日中(6:00~18:00)で約30%、夜間(18:00~23:00)で約21%と、どの時間帯においてもつけっぱなしの方が節電という結果になりました。
快適性が損なわれてしまううえ、電気代も余計にかかるのですから、短時間での電源のオンオフはしないようにしましょう。
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。