(質問)
転職を考えていて、これまでの転職回数は3回です。転職回数が多いと企業からはネガティブに捉えられますか?何回までなら不利にならないでしょうか?
(回答)
転職回数が3回以上になると不利になる傾向があります。ただし、年齢とのバランスもあり、20代なら3回以上、30〜40代の場合は4〜5回だと転職回数が多いと思われやすいでしょう。また、エンジニアやクリエイティブ職の転職の場合はそこまで社数を気にしない傾向があります。
一般的には転職回数3回以上、年齢によって異なる
転職活動において、不利になる可能性がある転職回数は3回以上と言えるでしょう。ただし、年齢によっても違いがあります。例えば、28歳で転職回数が3回の場合、大卒で就職して6年働いていると仮定すると1社の平均在籍年数は2年ほどです。一方、35歳の人なら13年働いているので、平均在籍年数は4年以上となり、受ける印象はずいぶん違います。目安としては20代で3回、30〜40代なら4〜5回の転職回数になると転職が多いという印象をもたれるでしょう。
転職回数が多い人に対して企業側が懸念するのは、早期に離職して定着しないのではないかというリスクです。合わないと思ったらすぐに辞めてしまうのではないか、周囲とコミュニケーションを円滑に取れないのではないかという疑念が、採用時のネックになります。
エンジニアやクリエイティブ職は、転職回数が不利にはならないことも
スキルや経験が明確なエンジニアやクリエイティブ職は、転職回数が多くてもそこまで不利にならない傾向があります。エンジニアは技術が共通であるため他の職種より転職後、即戦力になりやすいです。しかもIT業界は慢性的な人手不足で、よりよい環境を求めて転職する人が多い傾向があるため、転職回数が多くても不利になりにくいと言えます。
また、クリエイティブ職もスキルを重視する傾向が強いです。そもそも、人材の流動が多い職種であることに加え、これまでの実績をポートフォリオのような形で示しやすいことも理由の1つ。結果として、高いスキルがあれば転職回数を重視しないというケースが生まれやすいのです。
転職回数が多くても転職を成功させるコツは?
転職回数が多い人が転職を成功させるには、それぞれの会社で得た経験・スキルについて、自分の言葉で語れることが重要です。そして、懸念されがちな環境適応力やコミュニケーション力などに問題がないことをアピールしましょう。また、転職理由が明確で妥当なものか、筋が通っているかを面接官は見ています。「キャリアプランに基づいた一貫性のある転職だ」と面接官が納得できるように、転職理由を明確に説明する準備をしておくことが大切です。もし、まだキャリアプランが明確に見えていない場合は、転職活動をする前にプランを立てておくことをおすすめします。
また、3カ月や半年など短期で辞めている場合は、やむを得ない理由であることが多いでしょう。そんなときは本音でしっかりと話した方が印象は良くなります。
転職理由を説明する際は、過去の職場の悪口や不満だけに終始しないように注意しましょう。本当のことであっても「周囲や環境のせいにする、他責思考の人ではないか」というネガティブな印象をもたれる恐れがあるからです。客観的に話せているか不安な場合は、友人などの第三者に聞いてもらって感想を聞くなど、事前に練習をしておくといいでしょう。
この記事の筆者:三ツ橋 りさ
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Womantype』の編集を経て、転職サイト『女の転職@type(現・女の転職type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。13年4月~15年12月まで『女の転職@type(現・女の転職type)』の編集長に就任。産育休を経て16年11月より転職サイト『@type(現・type)』の編集長として復職。19年10月より2度目の産育休を取得し、21年5月に復職。21年6月から『type』編集長に就任し現在に至る。