「高い掃除機」「安い掃除機」は何が違う? 「高いから良い」とは限らない? 【家電のプロが解説】

安い掃除機と高い掃除機の違いは何なのか、家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。

安い掃除機と高い掃除機は何が違う?
安い掃除機と高い掃除機は何が違う?
次々と最新モデルが登場する掃除機。買い替えた方が良いのかな……と思いつつ、なかなか適切なタイミングが分からない人も多いのでは。

家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。
 

(今回の質問)
安い掃除機と高い掃除機の違いは何ですか?

(回答)
モーターのパワーやセンサー、バッテリーなどの基本性能に加えて、充電台の有無、アタッチメントの豊富さなどで価格に差が出ます。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

価格を左右する「3つの特徴」

掃除機には、価格を大きく左右する3つのポイントがあります。

●重さの違い
パワーを売りにしたコードレススティック掃除機は標準質量(本体、延長パイプ、ヘッドを含めた重さ)が2キロを超えるモデルも少なくありません。一方で軽さを売りにしたモデルでは標準質量が1キロを切るモデルまで出てきています。コードレススティック掃除機の場合はパワーを横並びで比較する数字がないため、「重い=パワフル」「軽い=パワーが弱い」と言い切れるものではありませんが、全体的にはそのような傾向があります。

一方で軽さを追求したモデルでは、軽量化を実現するために「カーボン」などの高価な素材をふんだんに用いる場合があります。軽さを徹底的に追求したモデルの場合、素材によって価格が高くなる場合があります。

●ヘッドの性能差とアタッチメントの豊富さ
掃除機で床を掃除する場合、基本的に「標準ノズル」などと呼ばれるT字型のヘッドを装着して掃除します。高価格モデルは標準ノズルにブラシが付いているだけでなく、モーターによってブラシが自動的に回転するようになっているモデルが多いです。一方で低価格モデルの場合はモーターだけでなく、ブラシも搭載していない場合もあります。

さらに高価格モデルでは、すき間ノズルやふとん用ノズル、延長ホースなど、豊富なアタッチメントが付属する場合があります。こうしたアタッチメントが多いモデルほど価格が高くなるケースが多いです。

●バッテリー駆動時間の長さ、充電台・予備バッテリーの有無
コードレススティック掃除機はバッテリーによって動作するため、バッテリーの容量が多いほど掃除時間が長くなる傾向があります。バッテリーは高価な部品のため、バッテリー容量が多いモデルほど価格が高くなる傾向があります。また、掃除が終わったらサッと装着して充電できる充電台が付属するモデルや、予備バッテリーが付属するモデルは高価格になりがちです。

基本的にはここまで紹介した3つが差異化ポイントになっており、それぞれの特徴になっています。

「高い=高性能&ハイパワー」とは言い切れない

価格の高い掃除機の購入を検討している人は、「高い=高性能&ハイパワー」とは言い切れなくなっていることに注意しましょう。

確かに、キャニスター型掃除機の場合、ほぼ「高い掃除機=高性能&ハイパワー」という図式が成り立っていました。しかし、現在主流となっているコードレススティック掃除機の場合は異なります。このタイプの掃除機はヘッドと延長パイプ、本体、ハンドルが一体化しており、パワフルなモーターを搭載するとバッテリーも大型化する必要があるため、どうしても重くなってしまい、取り回しがしにくくなってしまいます。つまり、「パワフルで軽くて取り回しがしやすく、バッテリーのもちもいい」という、多くの人が求めるベストバランスのコードレススティック掃除機はないのです。

掃除機がけを毎日したいのか、週1~2回程度でいいのか、フロアはフローリングだけなのか、じゅうたんが多い家なのかなど、さまざまな要素によって求める掃除機の特徴が変わってくると思います。これらを参考にして、自分のニーズに合わせた掃除機を選んでみてください。

     
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
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