中学受験生には「お正月」もない? 年末年始、リアルすぎるクリスマスプレゼントを小6たちに聞いてみた

中学受験に限らず、高校、大学全ての受験生が本番を間近に控えた年末年始。「お正月も楽しむな!」と念押しされている受験生たちは、浮ついた世間の空気を全身に浴びながら、年末年始をどう乗り切る?

受験生は年末年始をどう過ごす?
受験生は年末年始をどう過ごす?
中学受験に限らず、高校、大学全ての受験生が本番を間近に控えた年末年始。浮ついた空気を全身で感じる、クリスマスからの年末年始を受験生とその家族はどう乗り切るべき? 受験生を抱える家庭のリアルな声も聞いてみました。

中学受験組の気になるクリスマスプレゼントは?

子どもにとって1年で最大の楽しみなイベントといってもいいクリスマス。でも、受験生のクリスマスプレゼントって何……? 実際にサンタクロースから何をもらったのか、受験直前の小学6年生に聞いてみました。

希望は「好きな漫画全巻」だったというAさん。サンタさんからのプレゼントは「ワイヤレスイヤホン」でした。事前に「受験前だから難しいんじゃないかな〜」とお母さんに言われていたので、サンタさんが初めて要求をのんでくれなかったことについても、“サンタさんの優しさ”と捉えられたよう。

希望は、12月に発売したばかりの「新作ゲーム」だったというBくん。「受験が終わったら、好きなゲームを買ってね。フォッフォッフォッ……」のようなメッセージとともに「ニンテンドープリペイドカード」が置かれていました。プリペイドカードを机に飾り、早く使える日が来ることを心待ちにしているそうです。

勉強の合間にスマホで好きな音楽を聴くことを楽しみにしているCさんには、「MP3プレーヤー」。Cさんは、この贈り物により「ほとんどスマホを見なくなったの」と話してくれましたが、これはサンタさんの完全勝利でしょう。英語のリスニングも聞けますし、高校受験、大学受験を控えた子どもにもおすすめです。

子どもの希望をのみながら、受験直前でピりつく保護者にも配慮する……中学受験組へのプレゼントを試行錯誤するサンタの苦悩を感じました。

「お正月も楽しむな!」受験生は年末年始をどう乗り切る?

テレビ番組は特番ばかりになり、なんだかソワソワした雰囲気が街中にあふれだす年末年始ですが、中学受験生は淡々と「冬期講習」に通う毎日。塾からも早々に「クリスマスもお正月も楽しむな!」と言われていますし、本人たちも「受験が終わったら思い切り楽しもう!」と思っているはずです。

そうは言っても、仕事が休みになる保護者も多く、きょうだいもクリスマスからずっと浮ついている。どうしても非日常感が拭えない年末年始を乗り切る工夫を受験生を持つご家庭に聞いてみました。

意見が分かれる「塾の正月特訓」。子どものタイプ次第?

小学6年生には大みそかも元日もなく、冬期講習の中間を埋めるべく「正月特訓」などの特別講座が組まれています。講習代に加算される高い費用に驚きますが、受験直前の特訓で少しでも合格に近づくなら……と受けるべきかどうか迷う人も多いことでしょう。この「正月特訓」。筆者の経験で言えば、長男は受けて正解、長女は受けなくて正解、でした。

長男は、自分にすこぶる甘く、塾の先生から「これやって、次これやって」と尻を叩き続けられるタイプ。なので、なんの迷いもなく受講し、当の本人は「元日の朝は、駅も人が少なくて空気がきれいだったよ~」「みんなの気合がすごかったよ~」と、この数日間での学習効果は謎でしたが、みんなが休んでいる正月も自分は頑張っている! という充足感で三が日を生き生きと過ごしていたことを覚えています。

一方、自分でやらなければいけない学習箇所をある程度絞ることができ、もはや何時間も机に向かうことは苦でもなく、年末からのざっくりとした学習スケジュールを立てていた長女は、「正月くらいは自分のペースでたっぷり勉強させてくれ!」と断固「正月特訓」の受講を拒否。結果、自分で理解を深めておきたかった項目を勉強でき、充実感に満たされながら冬期講習後半のスタートを切ることができました。

受験直前である年末年始も有意義な勉強をしてくれたら、それでいいのです。ですので、「正月特訓」受講の良し悪しは、子どものタイプによりけりだと感じています。もし受講する場合は、直前期に自分の子どもに必要な内容(苦手分野を扱うかなど)なのか、見合ったレベルであるか、子どもが冬期講習前半を終えて消化不良を起こしていないか、などのチェックをして臨むとよいでしょう。

年末年始の実家への帰省や親戚の訪問、どうする?

お正月といえば、実家への帰省や親戚付き合いが毎年の恒例となっているご家庭も多く、例えば、毎年義父母が訪ねてくる場合などは、こちらからは断りにくいことも……。しかし、大人が断りにくいという理由だけで恒例行事を押し切る前に、子どもにどうしたいかを確認しておけばよかった、というケースは多々あるようです。

毎年、叔母家族が三が日に遊びにくるDさん。お年玉ももらえるし、例年なら叔母の子ども2人とも仲良く遊んで過ごします。受験を控えた年は、「もうすぐ試験があるから」とあいさつだけ済ませ、自分の部屋にこもって勉強していたものの、聞こえてくる笑い声が気になるし、「1人だけ部屋から出ず、感じが悪いだろうか」など、子どもながらに罪悪感を感じてなかなか集中できず、「こんなことなら割り切って遊べばよかった」と、後々母親に話したそうです。

また、高齢の祖父母が楽しみにしているので、「1日だけなら」と思い切って帰省したものの、勉強していない自分の状況やほかの子は「塾の正月特訓」を受講していることが頭をよぎり、終始不機嫌な様子だったというEくん。お母さんの目にEくんは、不機嫌な態度しか取ることができない自分にもいらだち、祖父母に対して罪悪感さえも感じていたように見えたそうです。

思うように勉強ができない状況への焦りや不安だけでなく、皆が楽しんでいる空気を自分が壊していないだろうかと、子どもながらに罪悪感を感じてしまう場合もあるようです。ただでさえ過敏になっている子もいる中、大人の都合で余計な気を遣わせたくない……と、保護者視点から思ってしまいました。

年末年始は家庭の知的レベルを上げる期間と割り切る!

受験生を抱える家庭の年末年始の過ごし方で、特に注意するべき期間は、冬期講習がない元日などのほんの1〜2日。塾や図書館の自習室も利用できないことが多いため、自宅での勉強場所の確保が重要です。

受験生本人はテレビやゲームも我慢して机に向かっているわけですから、そのすぐ近くで大人がテレビを見たり、スマートフォンばかり見ていたり……という状況は避けたいものです。この期間は、家庭全体の知的レベルを上げる期間と割り切って、保護者も読書をしたり受験スケジュールを練ったり、はたまた確定申告など、いつもはちっとも気が進まない作業を当てると、一緒に苦しんでいる同士がいるみたいで心強いかもしれません。
 
子どもにとっては、「午前中頑張ったら、昼食を外に食べに行こう!」「今日1日頑張れたら、気になるあのガチャ(カプセルトイ)ひきに行こう!」など、気分転換になるようなちょっとしたイベントでさえ、ささやかな励みになり、ワクワクするようです。

我慢が募る年末年始。「受験が終わったら」を連呼せず、小さな楽しみを提案してあげることも大切かもしれませんね。

この記事の筆者:渡辺 有
小中学生を対象にした学習塾講師兼フリーランスライター。塾講師、小学校受験を控えた幼児教室の補助講師だけでなく、3児の母として自らの子育てから培ったノウハウや経験をもとに、受験・教育・子育ての実態について執筆活動を行う。
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