上司とのLINE、スタンプを使うのはNG? 使っていいか見極めるチェックリスト 【伝え方のプロが解説】

会社の上司と「LINE」でコミュニケーションをとる際、「スタンプ」を使っても問題ないのでしょうか。「All About」話し方・伝え方ガイドの藤田尚弓が解説します。

1杯目は「とりあえずビール」じゃないとダメ?
上司とのLINEにスタンプを使っても問題ない?
「LINE」を会社の上司とのコミュニケーションに使う場合もあるかと思いますが、「スタンプ」を使っても問題ないのでしょうか。

「All About」話し方・伝え方ガイドの藤田尚弓が回答します。
 

(今回の質問)
上司とLINEをする際、スタンプを使っても問題ないですか?

(回答)
基本的には使わない方が無難ですが、職場の環境、上司との関係性、どんな文脈かによっても変わります。ある程度時間をかけながら慎重に判断するのがよいでしょう。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

スタンプを使うか判断するためのチェックリスト

スタンプを使っていいかどうかは、複数の要素から判断します。基本的には使わないほうが無難ですが、「もしかしてスタンプを使った方がいいのでは?」と思うような場面では、以下の点をチェックし、判断してみましょう。

●昔ながらの礼儀正しさを求めるようなフォーマルなコミュニケーションよりもカジュアルなコミュニケーションが多い職場である
●上司は上下関係を大事にするタイプというよりはフラットな関係を望んでいる
●LINEで今やりとりしているのはビジネスに関する重要なトピックではない
●上司や周りの人たちもスタンプを使っている
●敬語のスタンプなど、カジュアル過ぎないスタンプである

他の部分で敬意の総合点を下げない工夫を

スタンプを使うと、どうしてもカジュアルな雰囲気になってしまい、上司に対する敬意が伝わりにくくなります。やり過ぎたかなと思ったときには、スタンプ以外のところで敬意を示すようにしましょう。スタンプを使っていないときと比べて敬意の総合点が下がらないようにすれば大丈夫です。

具体的には、読んだらすぐにレスポンスをする、敬語をくずさない、敬語のスタンプを使う、丁寧な表現を心がけるといったことがあります。

●経緯の示し方の例
ちょっと聞いてもいいですか?

お忙しいところすみません。お時間のあるときで結構ですので、以下の件についてご意見をいただけますでしょうか。

LINEだと通常の会話に比べてメッセージが短くなります。しかし、私たちは文章が長いときの方が丁寧さを感じます。スタンプを使ったことでカジュアルになり過ぎたときには、少し長めの丁寧な文でフォローしましょう。

文脈とスタンプの種類を意識する

失礼にならないようにスタンプを使うには、文脈を意識して使うことも大切。フォーマルな話題のときは使用を避け、雑談の部分や感謝の気持ちを示すときなどに限定して使いましょう。

また、あまりユーモラスなスタンプはNGです。落ち着いた、敬語のスタンプを使うのがよいでしょう。あくまでカジュアルな雰囲気で彩りを添えたいときにのみ使用し、頻繁に使用したり、大事なメッセージにスタンプだけでリアクションしないように気を付けてください。

非言語コミュニケーションが伴う通常の会話に比べ、テキストのみのコミュニケーションでは冷たさを感じさせてしまうことがあります。適切なスタンプの使用は感情を伝え、雰囲気をよくする効果もあるので上手に使ってみてもよいでしょう。
 
この記事の筆者:藤田 尚弓
株式会社アップウェブ代表取締役。社会心理学領域のコミュニケーションの専門家として、企業研修や研究・執筆、早稲田大学オープンカレッジ講師、TVコメンテーターなど幅広く活動。日本社会心理学会、日本応用心理学会所属。
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