今回取り上げるラーメン用語は「和え玉」です。
「和え玉」の認知度は?
「知らない」と回答した人にどんな意味だと思うか聞いてみたところ、「”替え玉”という言葉をどこかの地域での方言」(30代女性/埼玉県)、「種類の違う麺(太麺と細麺、ストレート麺と縮れ麺、など)を同じ丼に入れること」(40代女性/茨城県)といった回答が集まりました。この中に正解の意味はあるのでしょうか?
「和え玉」は「まぜそばとしても食べられる替え玉の進化系」!
最近増えてきたサイドメニューの「和え玉」。これは「替え玉」の進化型です。まずは「替え玉」について解説しましょう。「替え玉」とは、博多ラーメンの中でも特に長浜地区で広まった食べ方です。博多ラーメンは細麺でだいたい一杯100グラムくらいの量になります。東京などでのラーメンの平均麺量は150グラムと言われているので、これは3分の2くらいの量。そこで、おなかがいっぱいにならない人のために「麵の追加」をするのが「替え玉」です。博多ラーメンよりも麺が少し太い久留米ラーメンでは替え玉よりも大盛りが主流になります。東京でも博多ラーメンなどの細麺以外はだいたい大盛り対応です。
そして、10年ほど前から登場したのが「和え玉」。元祖はつくばの「煮干し中華ソバ イチカワ」と言われています。これは替え玉の麺に少しタレをかけたり、ネギやチャーシューを加えることで付加価値を付け、単価を上げたり、まぜそばとしての食べ方も可能にしたものです。替え玉は博多ラーメンなどが中心でしたが、和え玉は煮干ラーメンから浸透していきました。
最近では和え玉用のタレを作り、それだけで食べられるようにして提供する店も増えています。横浜の「丿貫」(へちかん)とその関連店などで使われているほか、つくばの「つくばらーめん 鬼者語」とその系列および出身店などでも創作系「和え玉」が人気です。
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。