1885年、横浜で創業した輸入雑貨商の明治屋が、その翌年の12月7日、外国人船員向けに日本で初めてクリスマスツリーを飾ったといわれています。
今回は、「世界最大のクリスマスツリーは高尾山よりデカい」など、違いの分かる人になれるクリスマスツリーの豆知識をご紹介します。
どうしてクリスマスにツリーを飾るのか?
諸説ありますが、クリスマスの起源とされている古代ヨーロッパ・ゲルマン民族の冬至祭にて、冬でも枯れない生命力の象徴として常緑樹のカシの木を飾っていた風習がクリスマスツリーのはじまりとされています。「オーディンの樫の木」として伝わっている神話では、その後、樹木に対する信仰心が強い彼らをキリスト教へと改宗させるため、教会側がカシの木から葉が「三位一体」を表す三角であるモミの木に変えることで、教義として取り込んだとされています。
飾る期間は、欧米ではクリスマス前の「日曜日4回分」がアドベントシーズン(準備期間)とされているため、2023年で言えば12月3日ごろからクリスマスツリーを出すのが一般的。1日1個飾り付けていくという家庭も。その後、年が明けて1月7日ごろに片付けます。
ただ、日本の場合はお正月の飾り付けもあるので、本場のしきたりにこだわらず、各ご家庭のタイミングでしまいましょう。
クリスマスツリーに「玉」を飾る理由
クリスマスツリーの飾り付けで、元祖とされているのは「リンゴ」です。中世ドイツのクリスマスの舞台劇で「アダムとイブ」が上演された際、禁断の果実がなっている木を再現しようとしましたが、冬はリンゴの木に葉がないため使えず、モミの木にリンゴを付けて代用したことがきっかけとされています。
以降、クリスマスツリーの飾り付けにリンゴを使うようになりましたが、ある年、気候の影響でりんごが不作となり、飾れなくなってしまいました。
その際、当時はガラス工芸が発達していたため、リンゴの代用として赤いガラス玉を飾ることにしたのが玉飾りのはじまりです。
現在ではさまざまな色の玉飾りがありますが、白は「純潔」、緑は「永遠」、金と銀は「キリストの気高さや高貴さ」を表しています。
世界最大のクリスマスツリーは高尾山よりデカい!
大小さまざまなサイズがあるクリスマスツリーですが、世界最大のものはどれくらい大きいか、ご存じでしょうか。ギネスブックに「世界最大」として正式登録されているクリスマスツリーがあるのは、イタリアのグッビオ。中世の雰囲気を色濃く残すこの街には、なんと高さ650m! 高尾山の標高より高いツリーが毎年飾られているんです! いくら何でもデカすぎじゃないですか!?
実はこのクリスマスツリー、街を見下ろすインジーノ山の山腹に700以上の電球を使って描いたもので、実際の樹木を飾り付けたものではありません。それでいいのかギネス! 京都の大文字焼きも、文字を「木」にすればワンチャン「クリスマスツリー」とされるのかもしれませんね……!
この季節になると、世界中の街や家庭を彩るクリスマスツリー。あなたのご家庭でも飾ってみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。