今回は、アンケートで得た回答のなかから、奨学金400万円を借りて短期大学に通学した後、中途退学してフリーターとして過酷な生活を送った30代女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール
回答者本人:30代女性在住:大阪府枚方市
家族構成:既婚(子なし)
住居形態:持ち家(マンションなどの共同住宅)
職業:その他
年収:10万円
現在の貯金額:150万円
回答者の奨学金の状況
借りた奨学金の種類:貸与型奨学金返済状況:完済
奨学金で利用した金額(総額):400万円
奨学金以外に借入しているもの:特になし
独立行政法人日本学生支援機構が発表した令和2年度学生生活調査結果によると、短期大学では全体の半数を超える56.9%の学生が奨学金制度を利用しています。
奨学金の利用を当たり前のように開始
短期大学へ進学するために奨学金を利用した回答者。利用を始めたきっかけについて尋ねると、「特に相談することもなく自然に奨学金を利用しました」と、奨学金の利用を当たり前のように感じていた旨を話しました。
「周りも大体そんな形だったので、特に何も思いませんでした」と、周囲の影響もあって奨学金を借りたと明かしています。
中退後はアルバイト収入で奨学金を返済「すごくしんどかった」
回答者は、返済初期の生活について「短大は中途退学し、それからフリーターで生活をしていました」と告白。「実家暮らしなので衣食住には困ることはありませんでしたが、バイトのお金で奨学金を返済、友達と遊んだりなどのお金で貯金はほぼできない状態で欲しいものも買えず凄くしんどかったです」と、収入に余裕がなく、貯金がほぼできない状況だったと語っています。
加えて、「今は結婚しましたが、このままで結婚し家庭を持てるのかという不安でいっぱいでした」「奨学金のことで当時付き合っていた彼氏と別れたこともあります」と、奨学金返済に追われていた時期に金銭的な問題で恋人と別れたエピソードにも言及し、家計の状況が深い人間関係にまで影響を及ぼした事実を述べました。
「困った月は親にお金を借りた」滞納しないための必死の行動
「連帯保証人は叔父さんにしていたため、迷惑をかけることは駄目だし、滞納は絶対にいけないことだと自分で決めていました」と、奨学金を滞納しないことを心に誓っていた回答者。「本当に困った月は申し訳ないと思いつつ親に借りたりしていました」と、返済を続けるために親に助けを求めたこともあったと語りました。
アンケートの終盤には、「借りたのもは返すが基本なので奨学金についての不満はありませんが、私のように30代半ばになっても返済しきれていない方がたくさんいると思います」と、長引く返済の苦しみについても言及。
基本的に奨学金制度に不満はないと話しつつ、相次ぐ滞納問題への懸念を述べています。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:三山 てらこ
横浜生まれ横浜育ち。グルメと深夜ラジオを愛するライター。FP2級。銃弾を防ぐ少年団と、ポケットに入るモンスターも大好き。最近の悩みはアイスの買い置きが一瞬でなくなってしまうこと。X(旧Twitter):てらこ@ライター(@TeraWEB1)