今回は、アンケートで得た回答のなかから、奨学金180万円を借りて卒業し、配偶者と子ども1人と暮らしながら返済に励む20代男性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール
回答者本人:20代男性在住:広島県福山市
家族構成:既婚(子あり)
住居形態:賃貸
職業:正社員
年収:340万円
現在の貯金額:40万円
回答者の奨学金の状況
借りた奨学金の種類:貸与型奨学金返済状況:返済中
奨学金で利用した金額(総額):180万円
奨学金の返済残高:約100万円
奨学金の月々の返済額:1万1000円
奨学金以外に借入しているもの:特になし
独立行政法人日本学生支援機構が発表した令和2年度専修学校生生活調査結果によると、全国の専修学校生のうち、半数を超える56.6%の学生が奨学金を利用しています。
奨学金を借りた理由は「両親の負担を減らすため」
医療系の専門学校に通い、資格を取得して就職した回答者。奨学金を借りた理由については、「両親に学費のほとんどを出してもらっていたが、年間の学費が高い為少しでも両親の負担を減らす為に奨学金を利用していた」と話しています。
加えて、「自分で奨学金を借りる事で、自分を追い込み勉強しなければならない状況を作るため」と、勉強に励むために奨学金のプレッシャーを活用していた当時のストイックな姿勢も明かしました。
子どもがいても迫られる返済「家賃や保育料で出費が多い」
結婚しており、配偶者と子ども1人がいる回答者。「奨学金以外にもアパートの家賃・光熱費・携帯代・保育料・食費・その他雑費等の費用がかかり、私は常勤だが妻はパートの為月々の出費がかなり多くて収入がギリギリ」と、現在の家計に関する苦しい状況を述べていました。
さらに「月々の支払いが多いため私や妻が体調を崩した際に、仕事ができなくなって奨学金の返済ができない事が不安」と、奨学金返済とその他の出費に迫られる現状への不安にも言及。
資格を得るための通学にあたって奨学金の利用が必要だったことにふれつつ、「180万円よりも少ない金額で借りておけばよかった」と、利用額についての後悔を語っています。
「10年以上返済しないと」金額を減らせる救済制度がほしい
回答者は奨学金について、「学費を支払う為に奨学金制度がある事はすごく良い事」と話す一方、「金利があるため利子を支払う必要がある」とマイナスな注意点についてもコメント。「卒業後に約10年以上継続的に奨学金を返金しないといけない」と、返済期間の長さに関する懸念も述べました。
アンケートの最後には「借りた金額を減らせるような救済制度があれば」と話し、奨学金返済で苦しむ人が出ないよう政府に適切な措置を求めています。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:三山 てらこ
横浜生まれ横浜育ち。グルメと深夜ラジオを愛するライター。FP2級。銃弾を防ぐ少年団と、ポケットに入るモンスターも大好き。最近の悩みはアイスの買い置きが一瞬でなくなってしまうこと。X(旧Twitter):てらこ@ライター(@TeraWEB1)