ここがヘンだよ、ニッポン企業 第21回

“糸引きマフィン”騒動に学ぶ、個人商店が問題を起こしたときに「絶対やってはいけない」こと

“糸引きマフィン”騒動が尾を引いている。事後対応のまずさで大炎上してしまったからだ。今回はスモールビジネスをしている人がやってはいけない3つの「NG危機管理」を紹介する。

 「正義スイッチ」3つの着火点

なぜこんなことになってしまったのか。
 
いろいろな理由があるが、企業の危機管理をしてきた経験で言わせていただくと、「正義のリンチをしたくてしょうがない人たちが喜ぶことばかりをしてしまった」ということに尽きる。
 
ご存じのように今の日本社会では、不倫、不祥事、不適切発言などミスをした人をネットやSNSで徹底的に叩くことが三度のメシよりも好きで、これでストレスを発散する人たちがかなりいる。昨今問題になっているカスハラやプロレスラーの女性を自殺に追いやったネットの誹謗(ひぼう)中傷、デマの拡散などもやっている側は「正義の裁き」という感覚なのだ。
 
では、こういうネットやSNSの人たちは、どういうときにスイッチが入って、「正義のリンチ」を始めるのか。これまでボロカスに叩かれた不祥事企業や団体を見ていると、以下の3つが「着火点」だ。
 
1.説明が納得できない
2.謝罪が間違っている
3.アカウントを消して逃げる

ツッコミどころ満載の説明

ここまで言えばカンのいい人はお気付きだろう。そう、この3つを問題の焼き菓子店は全て網羅してしまっているのだ。まず、1の説明に関しては、焼き菓子店を経営する女性店主がメディアの取材に対して語った内容に、ことごとくツッコミが入っている。
 
例えば、「数」だ。女性店主によれば、今回のイベントには3000個のマフィンを出品しており、1人で11月6日から1日500個作ったという話だが、実際に焼き菓子を作っているプロたちからは「考えられない」「徹夜しても無理」などと言われている。
 
また、この3000個のマフィンをどこで、どのように保存をしていたのかという問題もある。18度以下に設定したクーラーをガンガンにかけた部屋に置いておいたというが、どれくらいの広さの部屋なのか。日当たりがよければ当然、傷みやすくなる。他にも店から会場までの運搬の際にはどうしていたのかなど、さまざまな疑問が相次いでそれが炎上のネタになった。
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加害者側が使わない表現で謝罪
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