2024年注目したい! メルカリの新しい“3つの文化”とは?

メルカリが発表した「リユース人気カテゴリーにおける消費動向調査」では、新しい文化が生まれていることが分かりました。具体的にどんな文化なのか、「推し活」「ファッション」「家電」で紹介していきます。

メルカリには新しい3つの文化が生まれている
メルカリには新しい3つの文化が生まれている
2023年11月8日にメルカリが「リユース人気カテゴリーにおける消費動向調査」を発表しました。これによると、フリマアプリでものが売れることで、買い替えや購入がしやすくなる傾向があることが明らかになっています。

今回は「推し活」「ファッション」「家電」のカテゴリーに注目して解説していきます。

「推し活」では「グッズを次の人に譲りたい」「他の人の推し活を応援したい」という文化が生まれる

ここ数年で推し活がブームになり、メルカリなどのフリマアプリを通して「推しのグッズ」の売買も活発になりました。

推しを変えるタイミングにおいては、これまでのグッズを手放すことを考えるもの。また、ガチャなどで推し以外のグッズが出た場合も、売ることを考えますね。その時に活躍するのがメルカリなどのフリマアプリというわけです。

しかし、今回の調査で明らかになったのは、単にグッズを売ってお金を得るだけではなく、そのお金でさらに自分の推しグッズを買おうと考えること。そして、推し活をしている人に譲ることで、その人の活動をサポートしたいという気持ちがあるということです。

もはやフリマアプリの世界では、推し活をしている人同士が助け合うような「推し活循環社会」ができているのです。推し活が盛んになったこと、そしてグッズを売買できる場所があることがこの文化を作り出したといえそうです。

Z世代の中では「いつでも衣替え」が根付いてきている

ファッションアイテムは、季節の変わり目に衣替えをして、新しい服を買って、着なくなった服を売る……という流れが、これまでのフリマアプリのスタンダードでした。しかし、Z世代においては、季節は関係なく、好きなタイミングで洋服を入れ替えていく「衣替えの消候化」が起きています。

Z世代にこの特徴が出やすいのは、ファッションに敏感であること、また、新しいアイテムを取り入れるには、それなりのお金がかかるために中古品を利用しているという点が考えられます。
全体の約35%がフリマアプリがあることでファッションアイテムの買い替えをしやすくなったと回答(画像出典:メルカリ)
全体の約35%がフリマアプリがあることでファッションアイテムの買い替えをしやすくなったと回答(画像出典:プレスリリース、以下同)
これに関しては、メルカリの調査でも全体の35%がフリマアプリがあることでファッションアイテムの買い替えがしやすくなったと回答しています。

欲しいと思ったアイテムを見つけたらすぐに検索して、できるだけ安く買うという意味でも、フリマアプリを活用しているのでしょう。

家電はできるだけ状態が良い時に売って、新しいものを買う傾向に

フリマアプリを利用している人の約8割が、家電カテゴリーでの売買を経験
フリマアプリを利用している人の約8割が、家電カテゴリでの売買を経験
フリマアプリを利用している人の約8割が、家電カテゴリーでの売買を経験しています。

そのようなユーザーは、家電の買い替えのタイミングを、故障していない状態でも検討する傾向が見られます。壊れてしまうと家電の価値が下がり、売る時の価格が下がってしまいます。売れない場合もありますから、価値があるうちにできるだけ高い値段で売って、そのお金で新しい家電を買うことを考えているのです。

これによって何が起きるのかというと、「買い替えサイクルの短縮化」です。家電は新しければ新しいほど性能が良く、売る時の価格も高いです。

今回の調査で見えてきたのが、「推し活循環社会」「衣替えの消候化」「買い替えサイクルの短縮化」という3つの文化です。個人が参加できるフリマアプリができたことで、消費の世界でも新しい動きが見られます。

いずれもユーザーにとってはメリットの大きな文化ですから、今後はさらにアレンジが加えられていくのではないでしょうか。
 

この記事の筆者:川崎 さちえ
ネットオークション歴19年、フリマアプリ歴9年。NHK『あさイチ』をはじめとした多数の情報番組に出演し、経験に基づいた実践型のフリマアプリやオークションの魅力を伝えている。  

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