まずは未払い問題。9月からメディアでブッキングドットコムが、同サイトで仲介している宿泊事業者に対する支払いが遅延していると指摘されるようになった。同社は、「システム更新により一部でのみ支払いが遅延している」という説明をしたことで批判が噴出し、未払いになっていた宿泊施設のオーナーら10人が総額およそ3600万円の賠償を求める裁判を起こした。ただ11月10日には、ほぼ全ての支払いが完了しており、補償金も支払われていることが報じられている。
不正アクセス被害、一体何が起こったのか
またそんなタイミングで、ブッキングドットコムに新たな問題が浮上した。11月15日、観光庁が「Booking.com利用者へのフィッシング被害に関する注意喚起」を発表。それによると「Booking.com社が提供し、宿泊施設で管理する宿泊予約情報管理システムが不正アクセスを受け、一部の旅行者に対してクレジットカードなどの情報を求めるフィッシングサイトへ誘導するメッセージが配信される事案が発生しているとの報告を受けました」という。ただ一般利用者には、何が起きたのかが分かりにくい。そこでこの不正アクセスでは何が起きたのか、そして一般の私たちにどんな影響があるのかを考察したい。