それぞれのメリット/デメリットも含めて「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が回答します。
(今回の質問)
冷蔵庫は観音開きと片開きどっちが良い?
(回答)
観音開きが人気ですが、片開きの方が便利なことがあります。
観音開きのメリットは扉1枚の幅が狭いこと
まずは観音開きのメリットを見ていきましょう。観音開きは扉が2枚に分割されているため1枚1枚の幅が狭く、軽い力で開けられます。
片開きは扉1枚が大きいので、開閉の際は正面に立てませんが、観音開きなら正面に立ったままでも、左右に扉が開き、そのまま庫内を見渡すことができます。
同じ理由で、観音開きは奥行きのないキッチンにも置きやすいですが、片開きは扉の幅以上の奥行きが必要に。さらに2枚の扉の右だけ、あるいは左だけ開けて取り出すことができれば、庫内の温度上昇を抑えられ、結果的に省エネにつながります。
また引越しや模様替えで置き場所が変わっても、開閉の向きを気にしなくていいため、転勤が多い家庭におすすめとされています。
観音開きには「ドアポケット」が使いづらいデメリットも
一方で観音開きにもデメリットがあります。最も不便に感じるのが、ドアポケットに収納できるものが限られること。1枚扉は幅があるのでレイアウトを自由に考えられますが、観音扉は2つに分割されてしまっているので、「ペットボトルを3本入れられないけれど、2本入れると無駄なスペースができる」など、有効活用しきれない場合もあります。
さらに観音開きは、片方だけ開けられるのがメリットながら、実際は片方だけ開けても中身が見えにくかったり、手が届かなかったりして、結局両方開くことになることも。そんなときは、一度で全部開く片開きの方が便利に感じるかもしれません。
加えて、冷蔵庫の左右どちらかを壁に寄せてしまうと、壁側の扉が90度までしか開かないため、ドアポケットの出っ張りが邪魔で庫内のものが出し入れしにくくなることもあります。
片開きはこんな人におすすめ
以上の観音開きのデメリットを踏まえると、片開きは以下のような人におすすめです。
1. ドアポケットを有効活用したい人
2. 片手で扉を全開したい人
片開きの向きによってはリビングから中身が見えにくくなるため、来客時に冷蔵庫の中が見られたくない人にも、実は重宝されています。
例えば普段は右側から開けるのが便利だけど、来客時は左から開けたいという人は、左右どちらからでも開閉できるシャープの「どっちもドア」シリーズがおすすめ。これなら引越しや模様替えで置き場所が変わった場合も、開き方で悩むことはありません。
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やWeb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。