(今回の質問)
長期間放置していたパソコンが動きません。どうすれば良いですか?
(回答)
動かない状態によりますが、おそらく壊れています。正しく電源をつないでいるのに何の反応もない場合は、電源回りが壊れている可能性があります。起動しようとするが正常に立ち上がらない場合は、それ以外のどこかの問題かもしれませんが、どちらもメーカーへの相談が基本になります。
以下で詳しく解説します。
まずは外観の確認を
パソコンが故障しているかどうかは、状況を見ながら判断しましょう。まずは、外観を確認。内部が確認できるなら開けて確認をします(※機種によっては保証対象外となる可能性もあるので、ご注意ください)。
ノートパソコンが見た目で変形している場合には、バッテリーが膨らんでいる可能性があります。バッテリーが膨らんだ場合、基板や画面の故障につながり、発火などの危険もあるので、バッテリーを取り外せれば外して、すぐにメーカーに相談しましょう。
基板が確認できるデスクトップパソコンの場合、電解コンデンサーの液漏れが目視で分かる事があります。これは素人が見ても分かる故障です。ホコリだらけな場合など、汚れている場合も動作不良の原因となります。冷却ファンがホコリだらけになっている事で、動作が不安定になる場合もあります。
電源を入れてみる
外観に問題がなく、電源をつないだときに本来表示されるLED表示などがあれば、電源関係以外の問題の可能性があります。電源を入れる操作をしても何も変わらない場合は、電源関係が壊れている可能性があります。
LED表示があり、立ち上げようとして画面に何らかの反応があれば、画面は問題ありません。一方で何の反応もない場合は、画面が壊れている場合があります。立ち上げようとして何らかの反応があれば、基本的な部分は問題ないがストレージに問題があるなど、どこかに問題があるのかもしれません。
立ち上がりが遅い場合
パソコンとして立ち上がるものの、立ち上がりが遅い、動作が遅いなどは、長期間使っていなかったこと自体が原因ではなく、ハードウェア以外の問題も考えられます。
故障した場合、基本的にメーカー修理になります。長期間使わない事が分かっている場合は、事前にデータをバックアップしておきましょう。これで再度使う際に、何かトラブルがあってもデータは守れます。
それ以外で事前に行う設定は特にありませんが、そのパソコンからしかアクセスしたことがないWebサイトのログイン情報などもしっかり確認しておきましょう。
長期間使わない場合の正しい保管方法
長期間使わないときは、風通しの良い冷暗所に保管するのが基本です。ノートパソコンの場合、バッテリーの問題があります。保管する際には、バッテリー容量50%くらいの状態が望ましいですが、しばらくすると自然放電して容量がゼロになってしまいます。
この状態はバッテリーに良くないので、少なくとも数カ月に一度、できれば月に一度は使わなくてもバッテリーの状態を確認しておきましょう。この作業が定期的に発生するので、保管時のバッテリー容量は100%に近くてもいいかもしれません。
バッテリーは取り外しておいた方が安全
バッテリーは長期間放置しておくと膨らむなど、本体に悪影響が発生する場合もあります。バッテリー容量だけでなく、長期間の保管時は本体が変形していないかなども忘れずに確認しておきましょう。バッテリーを取り外せる機種の場合は、取り外しておいた方が安全です。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。