年収200万円・派遣社員の36歳女性。年金受給者の親と実家暮らしで、将来的な「介護」の経済不安を語る

All About ニュース編集部は、現在実家暮らしをしている人を対象に、毎月の生活費や貯金額に関するアンケート調査を実施。本記事では兵庫県神戸市兵庫区在住・36歳女性のエピソードを紹介します。

実家暮らしエピソード
兵庫県神戸市兵庫区在住・36歳女性のエピソード
実家暮らしを選ぶ理由は、人によってさまざま。物価高などによる経済的な影響、自身の健康状態、家族の介護など、あらゆる事情が考えられます。

All About ニュース編集部は、2023年9月11~14日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。

今回は、兵庫県神戸市兵庫区在住・36歳女性のエピソードを紹介します。
 

回答者のプロフィール&実家の状況

回答者本人:36歳女性
在住:兵庫県神戸市兵庫区
同居人数:両親、自分
世帯年収:自分200万円(両親は年金暮らし)
実家の間取り:マンション3LDK
職業:派遣
 

生活費や貯金額は?

実家に入れている生活費:0円
交際費:1万円
毎月のお小遣い:1万円
毎月の貯金額:2万円
貯金総額:550万円

総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、35〜59歳女性の1カ月の平均消費支出は16万4749円です。そのうち、住居費の平均は2万5360円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた14万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。

現在、実家を出る予定は「ない」とのこと。また、恋愛や結婚願望については「どちらともいえない」といい、「将来の不安があるので結婚したいと思うときもあるが、自分で家族をもつ責任もありメリット・デメリットがあるのでどちらともいえない」と、その理由を話してくれました。
 

実家では「貯金をしながら、両親にもしものことがあれば対応できる」

現在、実家暮らしを選んでいる理由は「親の体調が悪く、弟が実家から出て行ってしまったため、自分しか面倒をみれる人がいない」とのこと。

また、もう1つの理由として「私の年収も低いため」と明かしました。

「実家暮らしならお金を多く貯金でき、両親にもしものことがあってもすぐ対処できると思うので実家で暮らしている」と続けています。

両親は面倒をみてもらうことができ、回答者は経済的な事情を緩和できるため、実家暮らしは両者にとってプラスに作用しているようです。
 

将来について考えているのかなど度々聞かれてうんざりする

一方、実家暮らしにおいては、共同生活の面で苦労があるようです。

「親と生活リズムが違うために気をつかうことがある。また台所や洗面所、入浴など共有のためすきな時間に使えないことがある」と明かし、実家暮らしならではの悩みを語りました。

また「お金や仕事のことについてをはじめ、将来について考えているのかなど度々聞かれてうんざりすることも多い」と不満を吐露。

経済面などのメリットを受ける反面、異なる生活リズムや違う考え方を持つ親との共同生活において、回答者はストレスも抱えているようです。

そのほか、将来的を見据えた悩みがあることも明かし、「両親が今後介護が必要になったら施設に入れたりヘルパーを呼んだりと何かとお金が出ていくのではないかと不安がある」と、回答しました。

※回答者のコメントは原文ママです

この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    深刻な男女賃金格差から「港区活動」を“就職先”にする危険性。港区女子になれなかった女子大生の末路

  • ヒナタカの雑食系映画論

    草なぎ剛主演映画『碁盤斬り』が最高傑作になった7つの理由。『孤狼の血』白石和彌監督との好相性

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応