アラサーが考える恋愛とお金 第18回

失恋後、10年ぶりの旧友から「久しぶり!」と連絡が。アラサー世代に増える“悪質な勧誘”の実態とは

「久しぶり! おぼえてる?」SNSを通じ、10年ぶりに旧友から連絡をもらって喜ぶ女性。しかし話題は思わぬ方向へ……!? アラサーに差し掛かると増える“悪質な勧誘”。その実態を取材した。

デートや婚活、結婚式……恋愛や結婚にはお金がかかる。特に現代社会においては、働き方や生き方の多様化が進み、恋愛とお金に対する価値観も変容している。本連載では、これからの「恋愛とお金」について、アラサーの恋愛ライター・毒島サチコが取材をもとに考察。第17回は「女友達からの突然の連絡」について紹介する(第16回はこちら)。

失恋したタイミングで旧友から受けた“勧誘”

 「失恋したタイミングで新興宗教のようなものに勧誘されました」
 
こう話すのは、美希さん(仮名・28歳・会社員)だ。
 
「Instagramのストーリーに1人で旅行したことをアップしたら、高校時代の友人から10年ぶりの連絡があったんです。『久しぶり!おぼえてる?』って。別のクラスだったので、話したのは数回だったけど、失恋して傷心中だったこともあり、会話が盛り上がって」
 
美希さんはInstagramに、仕事の様子や付き合っていた恋人とのデートを頻繁に投稿していた。
 
しかし旅行の1カ月前、恋人と破局。“人生を考える1人旅”と破局を匂わせるコメントとともに旅行の様子をストーリーズにアップ。その後すぐに、今まで連絡がなかった高校時代の旧友・理子さん(仮名・28歳)から連絡があったのだ。
 
美希さんの話をもとに作成したサンプル
美希さんの話をもとに筆者が作成したサンプル画像

「突然とはいえ、親身なメッセージをくれる理子にすぐに心を開いてしまいました。大学進学とともに地方から東京に出てきたこともあり、“地元の友達”というのは私にとって特別だったんです」
 
Instagramのダイレクトメールのやりとりの中で、美希さんは理子さんから仕事のことや、恋人のことを質問された。そして……。
 
「『話聞くよ!』と言われたんです。優しい言葉がうれしくて、『こんなことがあってね……』と理子にいろいろと自分の身の上話をしてしまいました。すると彼女は私の話を『つらかったよね』とか『もっと美希ちゃんにはいい人いると思う!』と励ましながら、『今度、東京に行く用事があるから会わない? 美希ちゃんにとって有益な情報も教えたいし!』と言ってきて」
 
「有益な情報」という聞きなれないワードに怪しさをおぼえた美希さん。「なにそれ?」と送ってみると……。
 
「理子からサイトのリンクが送られてきました。新興宗教っぽいサイトでした。教祖的な女性が微笑み、数万円~数十万円の入会金が書かれている。人生に悩んでいたけれど、入会したことによって救われた、と語る私と同世代の女性のコメントもありました」
 

勧誘前に「収入」を確認してくる悪質さ

理子さんは美希さんに対し、「私はここに入会して恋人とうまくいくようになったんだ」と語る。さらに畳み掛けるように「美希ちゃんは自分で稼いで自立してるし、ますます輝いてほしいからぜひ入会してほしい」と言ってきたという。
 
ここで美希さんは、最初のメッセージで理子さんから「仕事は何してるの?」と聞かれたことを思い出す。
 
「理子は、私に固定の収入があるかどうかを確認して、高額な入会金や会費を払えるかどうかを確認し、勧誘しようと決めたのだと思います。私のように自由気ままに1人暮らしをしている自立したアラサー独身女性を狙う手口なんだな、と思いました」
 
その後、美希さんはこの理子さんと連絡を取ることはなくなった。しかし理子さんからは頻繁にメッセージが届く。
 
「『美希ちゃん、その後どう?』『よかったら一度、食事でもしない?』と連絡が届きました。最初はサイトを見て怪しいと思っていましたが、理子の熱意や、サイトに掲載された同世代女性のすてきなエピソードに、『一度くらい話を聞いてみようかな』と思った時期もあって」
 
しかし後日、美希さんは理子さんと共通の知り合いから、地元で理子さんが「悪質な宗教にはまっている」とうわさされていることを知った。理子さんは恋人もおらず、何の仕事をしているかも分からないようだった。

「少し無理をすれば払える金額」にも要注意

美希さんは「アラサーになって金銭的余裕が出てきた。理子から誘われた新興宗教のようなものも、少し無理をすれば払える金額。もし本当に心を病んでいたら入会していたかもしれない」と語る。
 
アラサーの独身女性は、生活と収入に少し余裕が出てくる一方で、仕事や結婚に対して悩む時期でもある。そこに漬け込み、高額な入会金をとる新興宗教まがいのものや、悪質なセミナーの勧誘をされるケースがあるようだ。
 
あまり親しくない友人からの「久しぶり! おぼえてる?」には要注意だ。

※回答者のコメントは原文ママ

この記事の筆者:毒島 サチコ プロフィール
ライター・インタビュアー。緻密な当事者インタビューや体験談、その背景にひそむ社会問題などを切り口に、複数のWebメディアやファッション誌でコラム、リポート、インタビュー、エッセイ記事などを担当。
 
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