実家で生活するか、1人暮らしをするか。生活拠点を選ぶ理由は、人によって異なります。経済的な事情、職場へのアクセス、自身の体調、親の介護など、さまざまな事情を抱えて実家暮らしを選んでいる場合も。
All About ニュース編集部は、2023年7月18~27日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、神奈川県横浜市旭区在住・41歳女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:41歳女性在住:神奈川県横浜市旭区
同居人数:親2人、自分
世帯年収:父親300万円、自分100万円
実家の間取り:2DK
生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:0円交際費:4万円
毎月のお小遣い:1万円
毎月の貯金額:5000円
貯金総額:50万円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、35〜59歳女性の1カ月の平均消費支出は16万4749円です。そのうち、住居費の平均は2万5360円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた14万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定について聞くと「ない」とし、「一人暮らしでできるお金を稼げていない」と回答。
また、恋愛や結婚願望についても「ない」とし、「将来どのように生計を立てて生きていくのか迷っているので、結婚や恋愛をしたい気持ちが湧かない。一人で過ごす時間が自由で大切だと思っているので願望はない」と話しました。
両親を見守りながら、自分の夢を追えるのは実家暮らしならでは
現在、実家暮らしを選択している理由について「大学時代と社会人になってから何度か一人暮らしを経験したが、結局勤務先が実家から通えるところになったため、戻ってきたところ居心地がよかったのでそのまま暮らしている」と明かしました。「友人たちは、結婚出産と実家を離れたが、今のところその予定がないし、転職を考えたり、将来の夢などがあるためこのまま実家で両親の健康なども見守りながら自分の仕事を探していければ良いかなと思って実家暮らしを選んでいる」と、現在の状況を教えてくれました。
「今は働いたお給料が少ないので、家計に入れていない」
一方、実家暮らしで苦労していることについては「両親との食事内容、就寝時間、起床時間が合わない」と、生活面で難があることを明かしました。毎日の献立を考えているという回答者。親が食べたいものを考慮し、「固いもの、噛み切れないような食材なども考えて献立を立てなければならない」ということに苦労を感じているようです。
また「就寝時間が遅いが両親が目が覚めてしまいまだ寝ないのか?という圧が嫌だ。起床時間も早いので寝不足になったりする」と続けています。
また、実家暮らしをする上でお金に関する悩みについては「実家暮らしだと今は働いたお給料が少ないので、家計に入れていない。もっと働けたら少しずつ家計に入れることができるのだが、今はできない」と告白。
「もっと両親に楽をさせてあげたいが、転職が決まらないとそれができない。家賃、光熱費もお願いしている状況なので心苦しいが、将来の夢を目指して自由に生活させてもらっている。ありがたい」と、胸の内を吐露しました。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。