「了解しました」は「わかりました」の敬語表現のつもりで使用している人が多いですが、ビジネスシーンでは不適切な言葉です。
この記事では「了解しました」の正しい敬語について解説します。
<目次>
・そもそも「了解しました」の意味とは
・目上の人に「了解しました」は失礼なので注意
・ビジネスシーンで使える「了解しました」の言い換え表現と例文
・「了解しました」の言い換えでもっとも丁寧な表現は?
・「了解しました」の英語表現
・アナウンサーはどう使う使い分ける?
そもそも「了解しました」の意味とは
「了解」とは「自分が相手の事情を理解し発言を認めること」という意味です。
主には、目上の人が目下の人に許可を与えるときに使う言葉です。基本的に、目下の人から目上の人には使いません。
目上の人に「了解しました」は失礼なので注意
ビジネスシーンでは、同僚や部下、上司、取引先などさまざまな人とやりとりをします。
「了解しました」と語尾を丁寧にすれば使っていいと思うかもしれませんが、「了解」という言葉自体が、上の立場の人が目下の人に対して使うと、失礼に当たります。
同僚や部下には「了解しました」、上司や取引先の人には「承知しました」を使うなど、相手に応じた使い分けをするようにしましょう。
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ビジネスシーンで使える「了解しました」の言い換え表現と例文
ビジネスシーンで「了解しました」を使うことは可能ですが、目上の人に使うのは失礼にあたります。
ここでは、ビジネスシーンで誰を相手にしても問題なく使える「了解しました」の言い換え表現をご紹介します。
・「承知しました」
上司や取引先の人、目上の方からの依頼や要求を聞き入れるときに「了解しました」の意味で使うことができます。相手の依頼に対して「引き受けました」と伝えたい場合に使用しましょう。
B:承知しました。資料の準備をしておきます。
A:来週の月曜日にお越しいただけますか。
B:承知しました。来週の月曜日に伺います。
・「かしこまりました」
依頼や命令などを承諾するときに適しています。「かしこまりました」はもっとも丁寧な表現で、相手に対し敬意を払うことができます。「承知しました」「かしこまりました」ともにメールの返信にも使用することができます。
「〇〇の件、かしこまりました。」
・「わかりました」
「わかる」に丁寧語の「ます」をつけた表現で、上司や目上の人、お客さまにも使える表現です。「承知しました」「かしこまりました」が堅いと感じる状況のときは「わかりました」を使うことも可能です。しかし人によっては失礼に感じる場合もあります。役職の高い方や取引先の人には使わない方が良いでしょう。
B:わかりました、すぐに対応します。
・「承りました」
「承る」は「受ける」「引き受ける」の謙譲語で、相手の話をつつしんで聞くという意味があります。
「こちらの内容で承りました」
・「同意いたします」
「同意」、は意見や要求に対する賛成や承諾を意味します。「同意します」の謙譲語なので、ビジネスシーンでも使用することができます。
「了解しました」の言い換えでもっとも丁寧な表現は?
「承知しました」「かしこまりました」「わかりました」「承りました」はどれも丁寧な表現ですが、「かしこまりました」がもっとも丁寧な表現です。「かしこまりました」は「つつしんでお受けいたします」という意味合いが含まれていて「承知しました」より、ややへりくだった表現になります。
「了解しました」の英語表現
・友人や同僚などとの会話での英語表現
Sounds good.(「いいね」「了解」というニュアンスで相手の意見に賛成する気持ちが伝わります)
All right. (「了解です」言い方によっては「いやいや賛同している」ように聞こえるので注意が必要です)
・上司や取引先との会話での英語表現
Of course. /Certainly.(承知いたしました)
Absolutely./Defnitely.(かしこまりました)
Sure./Sure thing.(もちろん)
I agree with you.(あなたに賛成です)
I understand.(了解いたしました)
アナウンサーはどう使う使い分ける?
「了解しました」は敬語表現ではないため、上司や取引先には使いません。必要に応じて「承知しました」「かしこまりました」を使い分けます。「承知しました」「かしこまりました」は、ともによく使う言葉です。プライベートで、親しい上司などに対して「承知しました」を使うのは堅苦しい印象になる場合があります。そのような場合は「わかりました」と使う場合もあります。
「かしこまりました」がより丁寧な表現であるため、より丁寧さを重視したいときには「かしこまりました」を使うのが適しています。