「大丈夫です」は敬語? 正しい使い方やビジネスでの言い換え表現

「大丈夫です」という言葉は、肯定とも否定ともとれる曖昧な言葉で、ビジネスの場にはふさわしくありません。肯定の意味で「大丈夫です」と伝えたいときは「問題ありません」、否定の意味で伝えたいときは「必要ありません」「結構です」と言い換えましょう。

「大丈夫です」は敬語じゃない? 正しい使い方やビジネスでの言い換え表現をアナウンサー解説
「大丈夫です」は敬語じゃない? 正しい使い方やビジネスでの言い換え表現をアナウンサー解説

日本語には前後の会話や文脈によって、肯定的にも否定的にも意味合いが変化する言葉があります。「大丈夫です」や「結構です」という言葉は日常的に使われますが、曖昧で分かりにくい言葉の1つです。

この記事では、「大丈夫です」の使い方についてフリーアナウンサーの小川厚子が解説します。

<目次>
「大丈夫です」は敬語ではない
「大丈夫です」を敬語で言い換えた表現
「大丈夫です」の英語表現
【シーン別】ビジネスで使える「大丈夫です」の例文
「大丈夫です」を使うときの注意点
アナウンサーはどう使い分ける?

「大丈夫です」は敬語ではない

「大丈夫です」という言葉は、敬語ではなく、肯定とも否定ともとれる曖昧な言葉です。そのため、ビジネスの場にはふさわしくありません。

「大丈夫です」本来の意味

「大丈夫です」には。「安心である」「しっかりとしている」「間違いない」などの意味があります。ビジネスシーンでは「間違いない」という意味で使われることが多いでしょう。

「構いません」「結構です」との違い

「構いません」は肯定の意味で「問題ない」「気にしない」というときに使います。

「結構です」は肯定の意味と否定の意味があります。肯定の意味では「申し分ないこと」「満足であること」。否定の意味では「それ以上必要としないこと、もう十分なこと」。肯定と否定で意味が異なるので、使い方に注意が必要です。

関連記事:「結構です」は正しい敬語? 失礼にならない使い方や言い換え表現を解説
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「大丈夫です」を敬語で言い換えた表現

「大丈夫です」を敬語で言い換えた表現について解説していきます。

「大丈夫です」を肯定の意味で使う場合

ビジネスシーンで、肯定の意味として「大丈夫です」と敬語で伝えたいときは「問題ありません」と伝えましょう。また、相手や状況に合わせて「問題ございません」と言うことで、より丁寧な印象を与えます。

「大丈夫です」という言葉が出てしまった場合も、「大丈夫です。問題ありません」と伝えると良いでしょう。

「大丈夫です」を断る意味で使う場合

何か提案されたり、勧められたりしたときに、否定の意味として「大丈夫です」と伝えたいときは「必要ありません」「結構です」と答えましょう。相手からの提案にはっきりと答えるのは申し訳ないと思い「大丈夫です」と答えたくなりますが、曖昧な返答をすると本心が伝わらなくなる可能性があるので注意しましょう。

提案を断る際によく使われる「結構です」という表現ですが、この言葉も「大丈夫です」と同様、肯定とも否定ともとれる曖昧な言葉です。そのため、ビジネスでの商談など話の食い違いにより、大きなリスクを被る可能性があります。「〇〇はしていただかなくて結構です」というように相手にどちらの意味か分かるように伝えるようにしましょう。

「大丈夫です」を相手への配慮で使う場合

心配や謝罪をされた際は、感謝の気持ちや謝罪を受け入れつつ、相手を気遣うことも大切です。友人など親しい間柄で「大丈夫です」と使うのは問題ありませんが、ビジネスシーンではおすすめできません。

「お気になさらないでください」「おかげさまで良くなりました」などの表現を使うと良いでしょう。

「大丈夫です」の英語表現

「英語」での英語表現を解説します。

日本語と同様、肯定と否定、両方の使い回しを覚えておくと便利です。

「問題ありません」の肯定の意味で「大丈夫です」と伝えたい場合

I'm fine.
It's not a problem at all.
OK.

「必要ありません」のなど否定の意味で「大丈夫」と伝えたい場合

No, I'm fine thank you.
No, that's fine.
Don't worry about that.

【シーン別】ビジネスで使える「大丈夫です」の例文

ビジネスシーンにおける「大丈夫です」の使い方と例文をご紹介します。

依頼や提案を「承諾」したい場合

【例文】
A:〇日の13時から、ご都合はいかがでしょうか
B:〇日の13時からで問題ありませんのでよろしくお願いいたします

メールなどの場合は「下記の内容で問題ありません」など、何に対しての返答であるのかを分かるようにすると良いでしょう。

依頼や提案を「可能」と伝えたい場合

【例文】
A:〇日までに提出していただくことは可能でしょうか
B:はい、〇日までで問題ありません

可能かどうかを問われる質問に「大丈夫です」と答えたい場合は、「問題ありません」以外にも、「〇〇は可能です」「〇〇いたします」と答えるとよいでしょう。

依頼や提案を「断りたい」場合

【例文】
A:こちらの〇〇もご一緒にいかがですか?
B:お気持ちはうれしいのですが、結構です

断りにくいことは「結構です」「必要ありません」だけでなく、クッション言葉を使うことで、柔らかい印象になります。

【例文】
A:あいにくではありますが、必要ございません
B:申し訳ございませんが、必要ありません

相手への配慮のつもりではっきり伝えたくない場合があるかもしれませんが、かえって失礼になる場合があるので注意しましょう。

謝罪などに対し「気にしないで」と伝えたい場合

【例文】
A:この度は、大変申し訳ございませんでした
B:ご丁寧にありがとうございます、どうぞお気になさらないでください

謝罪をされて「気にしないで」というときは、「お気になさらないでください」と伝えましょう。

「大丈夫です」を使うときの注意点

「大丈夫です」という言葉は敬語ではなく、肯定とも否定ともとれる曖昧な言葉のため、ビジネスの場にはふさわしくありません。誤解を招かないためにも、ビジネスシーンでは控えた方がよいでしょう。

アナウンサーはどう使い分ける?

「大丈夫です」や「結構です」は肯定文、否定文どちらにも取れる曖昧な言葉です。アナウンサーは誤解を招く言葉やわかりづらい表現は使いません。文脈に気を付けて状況にあった言葉を使いましょう。

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