(今回の質問)
遊びに来た友人に家のWi-Fi パスワードを教えても大丈夫?
(回答)
いつも使っているSSIDやパスワードを教えるのは危険。ゲスト機能を利用しよう。
以下で詳しく解説します。
万が一のことを考えて、いつも使っているSSIDとパスワードを教えるのは避けよう
親戚や友人が自宅に来たとき、自宅のWi-Fiを利用してもらう機会も多いでしょう。その際、いつも自分が利用しているSSID(Wi-Fiの名前)とパスワードを教えるのは避けましょう。
SSIDとパスワードが分かっていれば、誰でも自宅のネットワーク(LAN)が利用可能になります。共有ファイルの書き換えや削除もできてしまいます。もちろん、信頼している親戚や友人がそのような行為をするとは思えませんが、誤って操作してしまうことも考えられます。
さらに万一、第三者にSSIDとパスワードが漏れてしまえば、共有ファイルの操作に加え、自分に成り代わってネットワークを悪用される恐れ出てきます。
親戚や友人といえども、いつも利用しているSSIDやパスワードを教えるのは大変危険です。そのようなときは、多くの無線LANルータに備え付けられているゲスト機能を利用しましょう。
Wi-Fiのゲスト機能とは?
名称はメーカーによってまちまちで、例えば「ゲストポート」とか「Guest Wi-Fi」といったように「ゲストまたはGuest」という名称が含まれた機能です。ゲスト機能を使えば、インターネットだけは利用できますが、その他のネットワーク機能は利用できないので、自宅のLANに侵入される恐れはありません。
ゲスト機能はすぐに利用できるわけではなく、無線LANルータの設定が必要となってきます。無線LANルータの本体のラベルにゲスト機能で利用するSSIDやパスワードが記載されている場合もありますが、この場合でも設定でゲスト機能を有効化する必要があります。
また、ラベルにSSIDやパスワードが記載されていない場合、ゲスト機能を有効化するとパスワードなしで利用できる状態になっていることもあります。親戚や友人に教えるので、パスワードなしでも良いように思えますが、SSIDが分かれば、第三者でも制限なしに利用できますので、避けるべきです。最悪、自宅のWi-Fiが犯罪に利用される可能性がないとはいえません。
ゲスト機能の設定方法
ここでは、バッファローのWi-Fiルータ「WXR-5950AX12」を利用して設定を行ってみます。ほかの無線LANルータでもほぼ同じような操作になります。
(1)設定画面に入る
WXR-5950AX12の場合は、WebブラウザのURL欄に「192.168.11.1」と入力し、本機ログイン用のパスワード(本体に記載)を入力します。ほかの無線LANルータの場合は、マニュアルを参照してください。
(2)ゲスト機能を有効化する
ゲストポートがOFF(オフ)になっているので、クリックしてON(オン)にします。
これでゲスト機能が使えますが、下図のようにユーザー認証がOFF(オフ)になっているということは、パスワードなしでWi-Fiが利用できるということです。
(3)暗号化の種類やパスワードを設定する
上の図の指さしアイコンの辺りをクリックすると、設定画面が表示されますので、暗号化の種類やパスワードを設定します。暗号化の種類は、付加番号の多い方(WPA2よりWPA3)が強力です。WEPはもしあっても、脆弱(ぜいじゃく)ですので選択しないようにしてください。
設定を終えたら、「設定」ボタンを忘れずに押しましょう。以上でゲスト機能が利用可能になります。自分も来客者も互いに安心してネットワークが利用できるよう、ぜひ活用してみてください。
ライター歴は20年以上。パソコン通信時代からネットワークに興味を持ち、LANや無線LANが一般に普及する前からLANの話題を追いかけ続けている。著作はすでに40冊を超え、テクニカルライターとしても活動している。