(今回の質問)
夏になってから家のWi-Fi速度が急に遅くなりました。何が原因でしょうか?
(回答)
暑さで無線LANルータにも影響が出ている可能性があります。リセットしてみましょう。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
暑さでWi-Fiが遅くなることがある
最近の夏の暑さは尋常ではありません。この暑さでWi-Fiの速度が遅くなることがあります。多くの場合、Wi-Fiを利用する環境には、エアコンがありますから過ごしやすい環境になっていると思います。
しかし、エアコンがない環境にWi-Fiルータがある場合もありますし、エアコンがあっても、熱のこもりやすい環境にWi-Fiルータが設置してあれば、問題が起こります。冬と夏では通常の生活環境でも10℃は気温差があります。
ルータは熱に弱い
Wi-Fiルータの中には、Wi-Fiを制御する専用のチップセットやコンピュータに利用されているCPUやメモリといった集積回路があります。これらは、熱に弱く作動が遅くなったり、正常な作動をしなくなったりします。
デスクトップパソコンやノートパソコンには、冷却用のFANがあり、内部を適切な温度に保っています。一方、Wi-Fiルータは自然換気になっていますので、気温が高いと熱がこもってしまいます。
リセットしてみよう
熱の関係でWi-Fiに不具合が出てきたら、Wi-Fiルータをリセットしてみましょう。リセット方法は、電源を切ってから5秒ほど待って再度電源を入れます。設定が工場出荷値に戻っても良いのであれば、リセット穴にクリップを伸ばしたものを入れ、LEDに変化が出るまで押します。
あとは、再度問題が起きないようにWi-Fiルータを涼しいところに移動するか、空気が対流するように周りの物を整理してください。押し入れに置いてあったり、本棚の奥に入っていれば出してください。また、見た目を重視するために、Wi-Fiルータをプラスチックのボックスに入れている人がいますが、これは放熱を妨げる置き方となります。
それでもダメな場合のチェック項目
このほかに、直射日光が当たる場所に置いていないかチェックしてみてください。「夕方になるとWi-Fiが遅くなる。原因は、夕方になるとWi-Fiルータに直射日光が当たっていたからだった」という事例があります。また、有線の場合、LANケーブルに直射日光が当たっていないか、調べてみてください。これでも遅くなる原因になります。
なお、温度とは関係ありませんが、カーペットの下にLANケーブルがある場合、足で踏んだりしてノイズを防ぐためのLANケーブルの撚(よ)りが戻ってしまいノイズが誘導されることがあります。これも、当然速さに影響を及ぼします。
ライター歴は20年以上。パソコン通信時代からネットワークに興味を持ち、LANや無線LANが一般に普及する前からLANの話題を追いかけ続けている。著作はすでに40冊を超え、テクニカルライターとしても活動している。