(今回の質問)
台風の「目」とは何ですか?
(回答)
台風の目とは、ぽっかり穴が開いている台風の渦の中心のこと。目の中は風が弱いことが多いですが、通過後は大雨になったり、風が強まったりすることがありますので、油断はできません。
目の通過後も油断大敵
台風の目とは、台風の渦の中心のことです。気象衛星画像で見ると台風の真ん中にぽっかり穴が開いているところがありますが、これが台風の目です。目の場所では風が弱いので、通過するタイミングで雨も風もピタリと一瞬止むことがあります。
ただ、目が通り過ぎた後、まだ周りには発達した雲があることが多々あります。再び大雨になったり、吹き返しの風が吹いたりしますので、油断はできません。
台風の目はどうやってできる?
この台風の目を生むのは、遠心力というものです。台風の中では、強い風が中心に向かって反時計回りに吹き込んでいます。ここで遠心力という中心から離れようとする力が働きます。
車が急にカーブすると、車が曲がったのとは反対の向きに体が押し寄せられる感じがしますよね。これが遠心力です。
台風の風も中心に近づいて速くなるほど外側へ引っ張られる力が強く働きます。すると外側に引っ張られる力が強すぎて中心に向かって風が吹き込めなくなる部分ができます。これが台風の目というものです。
台風の目の大きさは台風によって変わる?
なお、台風の目は、発生する台風によって大きさが異なります。目が小さくてはっきりしているほど、台風の勢力は強いと考えられます。
中心に向かって吹き込む風が強いほど遠心力が働くため、風は中心まで入り込めず、目がはっきりすることが多くなっています。
参考:台風の目とは?(出典:気象庁)
1991年生まれの気象予報士。現在は『首都圏ネットワーク』(NHK総合)などで気象解説を担当。防災情報を正しく活用してもらうための普及啓発として講演活動にも取り組む。毎日の天気予報では空や季節の変化を感じる楽しみを、いざという時は的確な防災情報を伝え、暮らしに役立つ天気予報を目指す。目標は「あなたの半径5メートルの暮らしを変える気象予報士」になること。