ダメ男ばかりと付き合ってしまうと悩んでいた34歳女性がハマった“落とし穴”の正体とは? 辛口アドバイザー植草美幸がかけた言葉とは?
CASE.4|自己肯定感が低すぎて、ダメ男につけ込まれる女性
「私なんて……」
“婚活女子は高望み”と言われがちですが、実は自己肯定感が低すぎて上手くいかない人も少なくありません。筆者の結婚相談所にカウンセリングにいらっしゃったF子さんは、「私なんてオバサンだから」「でも、仕事もこれ以上は頑張れないし」――といったネガティブな言葉が口癖になっているようにお見受けする女性でした。
勤務先は、京都の老舗日本茶専門店のデパート販売員。年齢こそ34歳なのですが、同僚にもお客さまにも年配者が多く、よく言えば落ち着いた、悪く言えば年齢以上に老け見えする女性でした。
F子さんが「私なんて……」というネガティブ思考に陥った理由を探ると、20代の頃に相手の浮気が原因で大失恋をしたり、結婚を意識していた男性が実は既婚者だったりといった不幸な恋愛経験が関係していました。
「婚活」の落とし穴に専門家のアドバイス
さらにカウンセリングをすると、彼女の家庭環境の影響もありそうです。父親の浮気で苦労してきた母親は過干渉気味で、「男なんてどうせ信用できない。経済的に自立して一生独身の方がいいのよ」と言われてきたようでした。
身近な同性である母親から、小さい頃にネガティブなことを言われ続けると、自己肯定感が下がり、性格が暗くなる傾向があります。そういった自己肯定感の低さは、ダメ男につけ込まれる要因にもなりかねません。
付き合っている男性が、「こいつは俺の言いなりだから浮気しても文句は言わないだろう」「既婚者でも気づかれないだろう」といった自分勝手な態度を取るようになります。それがF子さんの不幸な恋愛経験の一因だったのです。
年齢を気にする暇なんて、一秒もない
F子さんが婚活に本腰を入れるようになったのは、30代も半ばになり、この先の人生を1人で生きていくことへの自信が揺らいできたから。
仕事にやりがいはありましたが、年収は300万円台だったので「このままで大丈夫かな」と不安になるのは無理もないでしょう。現実を見て、「一生独身の方がいい」という母親の呪縛から、抜け出す決意をしたのです。
彼女の望みは年収500万円前後で、年齢は10歳上くらいまで。お見合いのセッティングには苦労しませんでした。
むしろ一番のハードルは、言葉の端々に出るネガティブさや、結婚へのネガティブな思い込みの壁。これをどう崩すか。筆者は2つのアドバイスをしました。
(1)自己肯定感の低さを変える声がけ
まず、「今日はこれからの人生のうちで一番若いのよ。あきらめの言葉を口にしているうちに、1秒ずつ歳をとるの。年齢を気にする暇なんて、1秒もないはず。今すぐアクションを起こしましょう」と励ましました。
「あなたは自己肯定感が低すぎる。それはお母さんからネガティブな言葉を言われ続けていたから。あなたが悪かったのではなく、お母さんが不幸だったので、あなたに当たっていただけなのよ。お母さんの気持ちも理解して、許してあげてください。その上で前を向きましょう。他の誰でもない、自分の人生なのだから」と語りかけると、彼女は目に涙を浮かべて何度もうなづいてくれました。
そこから彼女は少しずつ前向きに変わるようになり、オバさんという言葉を口にしなくなったのです。
(2)褒められる見た目にして、セルフイメージを前向きに
「私なんて」が会話の枕ことばになっている人の固定概念を突き崩すには、見た目を変えるのが近道です。自信を失っている人ほど地味で投げやりな服装になりがちですが、あえて明るく華やかにファッションを変えて、それに合わせてメイクもヘアスタイルも変えるのです。
見た目が変われば周りの反応が変わります。自己肯定感が低い人は自分で自分の気持ちを持ち上げることができないので、周囲から「可愛いね、綺麗だね」というポジティブワードをもらうことで自信がつき、前向きなセルフイメージを持てるようになります。
F子さんがカウンセリングに来たとき、年齢にそぐわない地味な私服に驚きました。それもオバさんっぽさを醸し出す一因になっていたのです。
ファッションを明るく若々しく変えることから入り、メイクを整えたら気持ちまで明るくなり、表情もイキイキしてすてきな雰囲気美人に変身。半年後には、年収600万円、46歳の地方公務員男性と結婚が決まりました。
この記事の執筆者:植草美幸
結婚相談所マリーミー代表。恋愛・婚活アドバイザー。ラジオやWebメディアも含め、年間約2000件の恋愛・結婚相談を有し、自身が代表を務める相談所では年間成婚率80%を達成するなど業界異例の成果を誇る。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)をはじめテレビ出演多数。著書に『ドキュメント「婚活」サバイバル』(青春出版社)、『結婚の技術』(中央公論新社)など。