全国各地で猛烈な暑さが話題になっています。熱中症にならないように水分補給や帽子、日傘などでの対策はもちろん必須ですが、知らないうちに間違った対策をしてしまっているかもしれません。環境省の「熱中症予防情報サイト」を参考にしながら、正しい熱中症対策をクイズ形式で再確認しましょう。
Q1. 部屋の中での熱中症対策、正しいのはどれ?
(1)エアコンの設定温度を28℃以下にする
(2)のどが渇いたと感じたら、こまめに水分補給をする
(3)キッチンでは熱がこもらないように換気扇を活用する
【正解】(3)です。
火を使って調理すると、キッチンは蒸気によってムシムシした高温多湿の環境になります。夏場は換気扇やエアコンを使う、なるべく火を使わない調理法を取り入れるなどの工夫をしましょう。
(1)は一見、正しいように思えますが、「室温」を28℃以下にするのが正解です。エアコンの設定温度を28℃にしても、必ずしも室温が28℃になるとは限りません。
(2)にも意外な落とし穴があります。私たちの体は軽い脱水状態のときはのどの渇きを感じません。水分補給は「のどが渇いたと感じる前」にこまめに行う必要があります。
Q2.「熱中症警戒アラート」はどんな気象条件で発表される?
(1)予想最高気温が35℃以上の日
(2)気温だけでなく湿度が高くて蒸し暑くなる日
(3)日差しの強い時間が長くなる日
【正解】(2)です。
「熱中症警戒アラート」は、気温、湿度、輻射(ふくしゃ)熱(日差しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱)の効果を取り入れた「暑さ指数」が33以上と予測されたときに発表されます。気温だけでなく、湿度も高い日は暑さ指数が高くなりやすいです。こうしたときは汗が乾きにくく、体に熱がこもりやすいため熱中症のリスクが高まります。熱中症警戒アラートの発表時は、外での運動は中止・延期する、なるべく外出を避けるなど危険な暑さから身を守るようにしましょう。
環境省「熱中症予防情報サイト」
環境省「熱中症環境保健マニュアル 2022」
この記事の執筆者:片山 美紀
気象予報士。現在は『首都圏ネットワーク』(NHK総合)などで気象解説を担当。防災情報を正しく活用してもらうための普及啓発として講演活動にも取り組む。毎日の天気予報では空や季節の変化を感じる楽しみを、いざという時は的確な防災情報を伝え、暮らしに役立つ天気予報を目指す。