ヤマト運輸と日本郵政が協業、メルカリでよく使う「ネコポス」と「ゆうパケット」はどうなる? 気になる4つのポイント

郵便局とヤマト運輸が物流の面で協業するとの発表がありました。フリマアプリの配送への影響はあるのでしょうか?

日本郵政、日本郵便、ヤマトホールディングス、ヤマト運輸が物流面で協業。フリマアプリへの影響は?

6月19日、日本郵政および日本郵便、ヤマトホールディングス、ヤマト運輸が物流の面で協業すると発表しました。今後はメール便領域と小型薄物荷物領域での取り組みが行われるとのことで、フリマアプリの配送への影響が気になります。
 

ネットオークション歴19年、フリマアプリ歴9年で「All About」メルカリの使い方ガイドの筆者が、懸念点や今後期待することなどを考察していきます。
 

協業による今後の変更点

日本郵便とヤマト運輸が協業することで、主に2つの領域の内容が変わっていくことになります。
 

・メール便領域での変更
メール便領域では現状、ヤマト運輸の「クロネコDM便」と、日本郵便の「ゆうメール」があります。クロネコDM便が2024年1月31日に終了し、ゆうメールを活用した「クロネコゆうメール(仮称)」となります。扱うのはヤマト運輸。荷物を預ったら日本郵便の引受地域区分局に差し出して、日本郵便の配送網で届けられます。
 

・小型薄物荷物領域の変更
小型薄物荷物領域は、ヤマト運輸の「ネコポス」と、日本郵便の「ゆうパケット」があり、ゆうパケットを活用した「クロネコゆうパケット(仮称)」に変更されます。ヤマト運輸が荷物を預かり、日本郵便の引受地域区分局に差し出し、そして日本郵便の配送網で届けられます。ネコポスは2023年10月から順次終了し、2024年度末を目途に新サービスに移行される予定です。
 

フリマアプリでよく利用されている「ネコポス」と「ゆうパケット」への影響は

フリマアプリの発送で使われるネコポスにも影響が出そう

メルカリをはじめとするフリマアプリでは、小型薄物荷物領域の「ネコポス」と「ゆうパケット」で影響が出そうです。
 

例えばメリカリでは、匿名配送サービスの「メルカリ便」でこの2つの配送方法が使えます。匿名配送で追跡もでき、しかも料金も抑えられていることから、多くの人が利用しています。おそらくメルカリ便などの配送サービスはなくならないとは思いますが、気になるのが以下の4つです。  
 

■発送できる場所はどうなるのか
ネコポスのサービスが終わるとはいえ、荷物を預かるのはヤマト運輸です。現在のフリマにおけるネコポスは、コンビニならセブン-イレブンとファミリーマートで発送ができますから、受け入れ先は変更にならないかもしれません。
 

ではゆうパケットはどうなるのでしょう。現在取り扱いがあるコンビニはローソンです。ヤマト運輸が荷物預かりになると、ローソンで「クロネコゆうパケット(仮称)」の発送ができなくなる可能性もあります。
 

とはいえ、ローソンから発送ができなくなるのは、メルカリ側も痛手になるでしょうし、日本郵便やヤマト運輸でもユーザーの不便さを無視することはできないと思います。おそらく、コンビニ3社からの発送が可能になるのではないかと筆者は考えています。
 

■配送料は?
フリマアプリの配送方法としてのネコポスやゆうパケット、そして将来的に「クロネコゆうパケット(仮称)」が取り入れられると仮定した場合、配送料が最も気になるポイントです。
 

現在ネコポスは210円、ゆうパケットは230円。これが1つなったとしたら、どちらかの料金になる、あるいは新しい料金が設定されることになります。劇的な値上げはないでしょうけれど、下がることもないと思います。社会情勢などを踏まえて決められることになるでしょうから、ユーザーとしては少しドキドキしながら待ちたいと思います。
 

■ゆうパケットポストはどうなる?

ゆうパケットポストはどうなるのだろう

郵便ポストに投函するだけで発送が完了するゆうパケットポストに関しては、引き続き使えると思います。そもそも郵便ポストを使うので、ヤマト運輸との関わりがありません。新しい体制となっても、日本郵便の引受地域区分局に差し出し、日本郵便の配送網を使うからです。
 

■ネコポスやゆうパケット以外はどうなる?

宅急便コンパクトやゆうパケットプラスなどはそのまま残るのでは?

ヤマト運輸には宅急便コンパクトや宅急便、日本郵政にはゆうパケットプラスやゆうパックがあります。今回の発表ではこれらについて触れていないので、サービスはそのまま残るのでしょう。
 

ただし、ネコポスやゆうパケットの代わりとなる「クロネコゆうパケット(仮称)」の発送場所がコンビニ3社でOKとなった場合、宅急便コンパクトや宅急便はセブン-イレブンとファミリーマートで、ゆうパケットプラスやゆうパックはローソンと区別してしまうと、とても分かりづらくなってしまいます。あくまで仮定の話ではありますが、やはり発送できるコンビニは今後の大きな課題になるように感じます。
 

将来的に配送方法が一本化されるかもしれない

今回の協業を知り、筆者は「フリマアプリの配送が一本化されるのでは?」と考えました。メルカリではらくらくメルカリ便とゆうゆうメルカリ便があって、料金の違いや商品お届けのタイミングの違いなどが発生しています。これが意外とややこしいので、どちらかにしてほしいと考えているユーザーもいると思うのです。
 

当然発送できる場所の問題もありますが、将来的には匿名配送が使える配送方法は1つになるのか、実は期待したいところでもあります。
 

この記事の筆者:川崎 さちえ
ネットオークション歴19年、フリマアプリ歴9年。NHK「あさイチ」をはじめとした多数の情報番組に出演し、経験に基づいた実践型のフリマアプリやオークションやの魅力を伝えている。
 

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