Q. 新卒採用で大学だけでなく高校名も見ているって本当ですか?
企業が採用時に学生の出身大学を見ることは一般的だと思いますが、最近では、高校名も確認しているという話もよく聞きます。高校生を新卒で採用するのに出身高校を見るのは納得できますが、どうして大学生の新卒採用にも高校名を見る必要があるのでしょうか?
A. 学生を総合的に評価するために出身高校も参考にすることはあります
新卒採用時に大学だけではなく、出身高校も評価の参考にする企業が増えているのは事実です。理由の1つとしては「入試形態の多様化」が影響しています。以前は偏差値の高い大学に入るには、学力試験で高い点数を獲得する必要がありました。しかし最近では、推薦入試や総合型選抜入試(旧AO入試)など、学力試験を受けずして入学できる制度が一般化しています。特に大規模私立大学では、学生数確保のため指定校推薦なども含めた推薦入試組の学生が年々増えています。
そのため採用担当者も大学名だけでなく、出身高校も参考にすることでその学生の学力や経験値を客観的に評価しているのです。例えば偏差値の高い高校出身者であれば、所属大学が中堅クラスだったとしても基礎学力があるということで評価される場合もありますし、出身高校が部活動で有名であれば、例え大学で体育会の部活動に所属していなくても、高校時代の部活動経験が高く評価される場合もあるでしょう。
また大学は首都圏であっても、高校を見ればどこの地方出身かも分かります。採用担当者にもなじみ深い地域であれば面接でその地域の話題になることもあります。
出身高校はただ学生の学力や偏差値を知るためだけでなく、その学生を総合的に評価するための材料集めに活用されているのです。
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この記事の筆者:小寺 良二 プロフィール
ライフキャリアコンサルタント。アメリカの大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し企業の採用・人材育成に携わる。2009年に独立後は、若者のキャリア支援の専門家として、大学の教員やキャリアカウンセラーに向けた研修、企業・官公庁のプロジェクト支援など多岐にわたって活動中。
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