中学受験「勉強はどこでやっていた?」と保護者に聞いてみたら→意外な場所に陣取る強者も?

子ども専用の勉強部屋を用意するのはいつのタイミング? リビング学習の効果について話題になることも多いですが、実際の中学受験生はどうでしょう? 中学受験を経験した保護者に話を聞きました。

低年齢の子どものリビング学習について話題になることが多く、親が見守れることや人の目があることで集中できるなど、メリットについても認知されつつあります。では、勉強が長時間になる中学受験生についてはどうなのでしょうか。

ある中学受験生の学習机。コルクボードにメモを貼るなどして工夫しています
ある中学受験生の学習机。視線が行きやすい正面のコルクボードには学習時のポイントを貼るなど上手に活用しています

>小学6年生はいったい「家のどこで」勉強している?
 

「自分の部屋以外の場所」で勉強したがる中学受験生

小学6年生の7割以上がリビングで学習をしているというデータ(ベネッセ調べ)もあることから、その実態を中学受験生の保護者に聞いてみると、子ども部屋ではない場所で勉強していた様子がうかがえました。
 

「専用個室はありましたが荷物置き場となっていて、主にダイニングテーブルで勉強していました。勉強時間もそれほど長くなく、塾に行く直前に短時間で集中してやる感じでした。理想的な学習習慣だとは言い難い状況ですが、本人が好きな場所で勉強すればよいかと思い、特に指摘はしませんでした」(男子の保護者・神奈川県在住)
 

「リビングと隣り合わせに子ども部屋があり、勉強用デスクもありますが、普段の勉強はダイニングテーブル、もしくは床やソファでテキストを広げていたことも(笑)。テスト形式で過去問に取り組むときだけは、さすがに家族がいると集中力が続かなかったようで個室に籠っていました。でもなぜか自分の部屋ではなく、夫の仕事部屋で……」(男子の保護者・東京都在住)
 

「リビングの壁に向かった専用の勉強スペースを作っていました。ダイニングが散らからないのがメリットでしたね。ただ、キッチンからは子どもの背中しか見えないのが残念。配置をする際は、キッチンからの視線を確かめるといいかもしれません」(男子の保護者・神奈川県在住)
 

個室にこもって黙々と勉強をこなすのではなく、時々家族の気配を感じたり、気分によって場所を変えたりしながら、長時間の勉強をこなしていたという子も多そうです。
 

机に向かうことだけが勉強ではない! 日常生活そのものが受験に役立つ

最近の入試問題では、受験勉強という枠にとどまらない多彩な問題が出される傾向にあり、塾の課題をこなすだけでは太刀打ちできない類いのスケールになっています。机に向かわせるだけでなく、家族とのだんらんの時間や移動時間などを有効に使って身の回りのことに好奇心を持って過ごしてもらえるよう、さまざまな工夫をしている家庭が多いことが分かりました。
 

「ダイニングテーブル横の壁や、トイレ、お風呂などに暗記ものを貼っていました。場所ごと暗記していたみたいです」

「リビングに地球儀や世界地図、日本地図があり、ニュースなどで話題になった国があればすぐに確かめられるようにしていました」

「面倒なのですが、子どもに質問されたときは、なるべくすぐに調べて答えるように努力していました」

「選挙のこと、消費税のこと、景気のことなど、ニュースを見ながらよく子どもと話をしました」

>小学6年生のリビング学習派は何割?
 

取材を通して見えてきたのは、受験生を支える保護者の工夫に富んだサポートの数々でした。リビング学習の参考にしてみてはいかがでしょうか。


この記事の筆者:古田綾子
雑誌・Webメディアの編集者を経てフリーランスライター。2児の母。子どもの受験をきっかけに教育分野に注力。自らの経験に基づいた保護者視点で、教育界の生の声やリアルな体験談などを取材・執筆。
 

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