注目の急展開! 話題のドラマ『日曜の夜ぐらいは...』を今からでも見るべき理由

清野菜名さんが主演を務め、密かに注目を集めているドラマ『日曜の夜ぐらいは...』(テレビ朝日系)。これまでのストーリーをおさらいしつつ、その魅力に迫ります。

ただの友情物語ではない、複雑な事情を抱える3人

このドラマの他にはない面白さは、一筋縄ではいかないサチの性格にあります。普通のドラマなら、バスツアーで意気投合すればその後に連絡先を交換して友情が芽生えるもの。しかしサチは、連絡先の交換を拒みます。
 

その背景には、かつてヤングケアラーとなった自分のせいで親友と悲しい別れをしたこと、また母親に障がいを負わせたことで幸せになってはいけないという思い込みがあります。
 

しかし、今回は3000万円を分ける目的で2人と再会し、そこで親友ではなく宝くじの高額当選者という「秘密を共有する仲間」として気持ちを通わせていきます。普通に、3人の女性が出会い、仲を深めていくわけでない今回のドラマ。訳ありの関係だからこそ、よりドラマに深みが生まれていきます。
 


他の2人も、複雑な事情を抱えています。翔子は空気が読めない性格で、家族とも疎遠になり友人もいない孤独なタクシー運転手。つまらない人生を送り、生きづらさを感じていました。若葉はかつて母親に捨てられ、祖母と2人で田舎に暮らす生活を送っています。貧しい生活の中で周囲に虐げられ、また自分を捨てた母親が金の無心に来るというどん底の暮らしをしています。
 

何もかもうまくいかなく、幸せになることが想像できない3人に視聴者もおのずと共感してしまう設定となります。
 

脇役も豪華な俳優たち! 女性が織りなす現代の幸せの見つけ方

そして、このドラマを盛り上げているのが、バラエティ豊かな女性俳優たちです。主演の清野さんは、これまでも映画やドラマでアクションもできる演技派として知られていました。
 

脇を固める岸井さんも、近年では2022年放送の日曜劇場『アトムの童』(TBS系)でヒロインを務め、さらに映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』『ケイコ 目を澄ませて』で鮮烈な演技を披露しています。そして注目は、若葉役の生見さんです。清野さん、岸井さんと比べると出演作も少ないですが、感情表現豊かに若葉をいきいきと演じています。
 

さらに、サチの母親・岸田邦子は和久井映見さんが担当。車椅子になったことを自分のせいだと責め続け生きる娘を心配し、またサチと同じく自責の念を感じています。母娘の関係だけでなく、介護や貧困などが絡み、ドラマにより一層の深みを与える存在です。
 

その他にも、若葉の祖母として名優の宮本信子さん、サチに金の無心に来る甲斐性なしの父親・博嗣を尾美としのりさんが演じています。
 

>次ページ:新しい形の女性の友情、3人は幸せになれるのか?
 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    親を就活に巻き込むオヤカク、オヤオリ…“学校化”が進む企業に忍び寄る「毒ハラ」とは?

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    「港区女子=事業資金集め」という選択肢。昼は不動産営業、夜は港区ラウンジ嬢だった30代女性の現在

  • ヒナタカの雑食系映画論

    草なぎ剛主演映画『碁盤斬り』が最高傑作になった7つの理由。『孤狼の血』白石和彌監督との好相性

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」