>参考:中小企業350社、6割以上が女性管理職比率「5%以下」
Q. 今の時代は女性雇用を増やしたいから、「女性の方が就活で有利」なんてことはあるのでしょうか?
最近、女性雇用や女性の活躍PRに積極的な企業も多いように感じます。今の時代に性別が採用の合否を左右するとは考えづらいですが、それでも女性の方が就活で有利になる、なんてことは実際のところあるのでしょうか。A. 基本的にはもちろん男女平等。ただし、「女性管理職」を増やしたい企業の場合は……
日本は昭和60年に男女雇用機会均等法が制定され、採用・配属・昇進などにおいての性差別は禁じられるようになりました。制定当初の日本は女性の社会進出が遅れており、女性よりも男性が優先して採用されることが多かったことが背景にあります。現代の就活はどうかというと、以前ほどではありませんがまだまだ一部の職種や企業によっては採用人数の中で男子学生の割合が多いことはよくありますし、逆に航空会社のCA職や企業の一般職採用などは女子学生の方が採用されるケースは多いでしょう。そもそもの応募者母集団の男女の割合だったり、職種などにおける適性が影響していたりがあり、一概にこれを「男女差別」とは言えません。
ただし最近は「女性管理職を増やすこと」をテーマに取り組んでいる会社が多いのは事実です。政府は「女性管理職30%」を目標に掲げていますが、エン・ジャパンが運営する人事向け情報サイト『人事のミカタ』が中小企業350社に行った調査によると、63%の企業が女性管理職比率「5%以下」と回答。政府が掲げる目標である「30%以上」と回答した企業は12%にとどまっています。
そのような状況の中で女性管理職を増やしていくためには、まずは新入社員の中で女性社員の割合を増やすことは当然のテーマとなるでしょう。
もし就職活動において「女性が有利」になることがあるとすれば、上記のような女性を積極的に管理職に登用している取り組みをアピールしている企業があれば可能性はあるかもしれません。
そういった企業は決して単に女性社員を多く採用したいわけではなく、「将来的に管理職になれる人材」を探しているわけなので、その点も意識して自己PRしてみると良いでしょう。
小寺 良二 プロフィール
ライフキャリアコンサルタント。米国の大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し企業の採用・人材育成に携わる。2009年に独立後は、若者のキャリア支援の専門家として、大学の教員やキャリアカウンセラーに向けた研修、企業・官公庁のプロジェクト支援など多岐にわたって活動中
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