猫のかわいらしさ、しぐさの愛らしさは格別です。また猫は散歩がいらない、室内で飼えるなどの手軽さもあり、自宅に迎える人が増えています。
猫を飼うには、誰かからもらう、ペットショップで買う、ブリーダーから譲り受ける、野良猫を拾うなどがありますが、最近では「保護猫」の里親になる人も増えてきました。今回は30年猫と暮らし、老猫(高齢猫)の世話について情報発信しているファイナンシャル・プランナー(FP)の筆者が、保護猫を自宅に迎えるときの条件や注意点、かかる費用、ペット保険に入るべきかどうかを詳しく解説します。
「保護猫」「里親」とは?
保護猫とは、動物愛護センター、民間の動物愛護団体などに引き取り保護されている、もともとの飼い主がいたけど何らかの事情で手放された猫、地域に住んでいる野良猫などのことをいいます。また、保護猫を家族として迎え、一緒に暮らしてくれる人を里親と呼びます。
保護猫を迎えて里親になるための条件
保護猫の里親になるには、保護猫団体が決めた以下のような条件を満たす必要があります。
【一般的な里親の条件】
・猫を飼える家に住んでいる(持ち家、ペット可物件など)
・完全室内飼育ができる
・飼育にかかる費用を捻出できる
・家族の同意を得られている
・最後まで責任を持って飼うことができる
・必要に応じ動物病院での治療を受けさせることができる
・かかりつけの動物病院を見つけ、必要な治療や予防を受けさせる
これらは、猫を飼うための基本的な条件といえます。保護猫団体の個々の考え方により、さらに、次のような条件が提示される場合もあります。
【保護猫団体ごとに異なるが提示される条件】
・子猫の場合、2匹以上もらってくれる
・単身者あるいは高齢者の場合、万が一のときに猫を引き取る保証人がいる
・子猫を入れておくケージ(上下運動できる2階建て以上のもの)を準備する
・留守にする時間が短い
・赤ちゃんや小さな子どもがいない
保護猫を譲渡してもらう手順と注意点
実際に保護猫を譲渡してもらうには、まず猫の里親になりたいと希望を出し、その後、譲渡会で条件をクリアしているかどうかの面談&審査や適正な飼い方の説明があります。大丈夫と判断されれば、書面などの手続きを経て、譲渡という運びになります。
このとき、60歳以上の高齢で単身者の人などは、里親に適しているかの判断が厳しい場合があります。というのは、もし、万が一、飼い主が先立ってしまったり、病気で入院したりで、保護猫の世話をする人がいなくなったら? という心配があるためです。
実際は、60歳以上であっても元気な人は多いですが、猫の平均寿命も15~20年と長生きする時代になっているため、どうしても、もしものときを想定してしまうのでしょう。猫を引き取ってくれる後見人は誰なのか、どんな関係なのかなどを詳しくヒアリングされ、厳しいと判断されればお断りということもあります。
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