デートや婚活、結婚式……恋愛や結婚にはお金がかかる。特に現代社会においては、働き方や生き方の多様化が進み、恋愛とお金に対する価値観も変容している。本連載では、これからの「恋愛とお金」について、アラサーの恋愛ライター・毒島サチコが取材をもとに考察。第14回は「デートのお会計事情」について紹介する(第13回はこちら)。
「会計時に財布を出す彼氏にドン引き」いったいなぜ?
ここ最近、デート代の“おごりおごられ論争”が白熱している。「デート代は全額男性が出すべき」といった発言に対し、SNS上で賛否両論が巻き起こり、発言者はたびたび炎上した。そんな中、ひそかに話題になったのが、20代の女性YouTuberが投稿した「異性のドン引き」エピソード動画。投稿者たちは「彼氏が会計時に財布を出していると引く」という視聴者からのエピソードを紹介し、「分かる。お財布見たら引かん?」と共感した。
当初、この話題を知った筆者は、先述したデート代の“おごりおごられ論争”の一種で「おごるかおごらないか、レジ前で戸惑わないで」といった類いの話かと思ったが、どうやら違うようだ。
彼女たちはおごられるのが前提で、会計時はスマートに支払いを済ませてほしい、と主張しているのである。
この動画に対し、SNS上には「おごっても引かれるのはなぜ?」「会計の時は、どうすることが正解?」といった動揺の声が多数上がった。
そもそも「会計で財布を見せる男性に嫌悪感」とは、いったいどういうことなのだろうか。
「『今どきなんで現金?』って思う」共感する27歳女性の本音
「キャッシュレスが当たり前の時代に、現金で払っているのを見るとちょっともやっとするのは分かる」こう話すのは、サチカさん(仮名/27歳)だ。
「食事デートの会計時に財布から細かい小銭を出す姿を見て、ちょっと引いた経験があります。現金会計時の微妙な沈黙が嫌。『今どきなんで現金?』って思うし」
サチカさん自身は、普段財布を持ち歩いていない。パスケースに入ったクレジットカードと電子マネーで、日常のほとんどの会計を済ませている。
「例えば、現金払いでも、ランチ(の割り勘)で1000円ずつね、とかなら分かるんです。でも、お酒込みでそこそこ値段のするディナーデートの会計時に、細かい現金のやりとりをレジでしているのを見るとなんだかなあ……って。クレカとか、電子マネーで払えばいいのに。(割り勘でもおごりでも)“レジ前”の現金のやりとりのもたつきはダサいと思う」
彼女は “おごりおごられ”論争以前に、男性にはキャッシュレスでスマートな対応をしてほしい、と思っているようだ。
交通系ICカードの「現金チャージ」がダサい?
キャッシュレス時代の現金問題。“ダサい”という意見は、こんな場面でも。「今どき、現金チャージしてるのダサいよね」
先日、新宿駅で、目の前のサラリーマンの男性が交通系ICカードの残高不足で改札に入れなかった姿を見て、友人が放った一言だ。
ちなみに友人は、オートチャージのモバイルPASMOを使っている。一方、男性はカードタイプのPASMOを使用しているようだった。
男性が現金をチャージするのを横目に、友人は「オートチャージにすればいいのに。残高不足で改札に入れない男性を見ると、カッコ悪いって思わない?」と語る。
これも、先述した女性YouTuberやサチカさんと同様、キャッシュレスが日常化した時代に、現金を見せることに対して嫌悪を抱く感性の1つなのだろう。
「キャッシュレスの時代に現金を使うのはダサい」。そんな新しい文化が広がりつつある。
※回答者のコメントは原文ママです
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