“ガンコババァ”に捧ぐ原点の味。「野方ホープ」が1994年当時のワイルドな醤油とんこつを再現【ラー博】

新横浜ラーメン博物館「あの銘店をもう一度"94年組"」第2弾は、環七「野方ホープ」が出店。環七ラーメン戦争を勝ち抜いた1994年当時のとんこつ醤油ラーメンを、野方ホープの成長を支えてきた側近達が再現し、今は亡き創業者の小栗冨美代さんに捧げます。

環七「野方ホープ」の醤油とんこつラーメン
環七「野方ホープ」の醤油とんこつラーメン

新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は2024年に迎える30周年に向けて、2022年7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけリレー形式でラー博に出店します。

2023年3月2日から7月17日の「あの銘店をもう一度"94年組"」第2弾は、環七「野方ホープ」が出店。野方ホープの成長を支えてきた側近達が1994年当時の味を再現し、今は亡き創業者の小栗冨美代さんに捧げます(画像はすべて提供)。
 

環七ラーメン戦争を勝ち抜いた、唯一無二の醤油とんこつラーメン

ガンコババァの愛称で親しまれる創業者 小栗冨美代さん
ガンコババァの愛称で親しまれる創業者 小栗冨美代さん

野方ホープは、1998年に環七ラーメン戦争の真っ只中に創業者である小栗冨美代さんが創業。環七沿いの西武新宿線の野方駅、中央線の高円寺駅のどちらからも遠く、人通りのない場所にある10坪の小さなお店でした。飲食店として成功するのは難しい場所でしたが、独学ながら試行錯誤の末に誕生した「"こってり"だけど"すっきり"」した唯一無二の醤油とんこつラーメンで勝負をしました。

また、何度もお越しいただくお客さまには「いつもありがとうございます」と顔を覚え、遠方からくるお客さまには「遠方からありがとうございます」と、当時のラーメン店ではあまり意識されていなかった温かい接客を心がけました。
 

行列ができ始めた頃の本店外観
行列ができ始めたころの本店外観

それらの努力が実を結び、創業から4年が過ぎたころには、多い日で1日700人ものお客さまが訪れる大繁盛店となったのです。
 

ラー博出店から卒業、夢の実現へ

ラー博店の店先に立つ小栗さん(1994年撮影)
ラー博店の店先に立つ小栗さん(1994年撮影)

ラー博が小栗さんに出店の話を持ち掛けたのは1992年4月27日のこと。度重なる交渉の末、出店することになりました。1994年3月6日、世界初のラーメンのフードアミューズメントパーク「新横浜ラーメン博物館」がオープンすると、連日長い行列が続いたのです。

小栗さんは「たくさんお客さまにお越しいただくのは本当にうれしいことではありますが、あの時は本当に大変でした。当時いた従業員もベテランではなかったので、とにかく私が常に現場に立たないと回りませんでした」と、開業時のことを振り返っていたそうです。

1995年には原宿に2号店をオープン。1997年6月29日、ラー博を卒業。「卒業は寂しかったですが、店舗を増やしていくという私の夢の実現のため、やむをえない決断でした」(小栗さん)その言葉通り、その年に3号店を荻窪にオープンさせたのでした。

2012年、小栗さんはこの世を去りましたが、小栗さんの夢はスタッフたちによって現在も進行中です。2023年に35周年となる野方ホープ。現在は都内を中心に10店舗を展開しています。
 

1994年当時の味を再現

35周年のポスター
35周年のポスター

今回の出店では、創業者とともに野方ホープの成長を支えてきた側近達により「創業者がんこババアに捧げる、35年間の成長」をスローガンとして、温故知新の心を忘れず、1994年当時の味を再現します。

野方ホープの醤油とんこつラーメン

1994年当時と現在では、スープのベース自体は大きく変わっていませんが、当時のラーメンの方がワイルドな味わいだったとのこと。また、現在、野方本店を除く店舗では背脂を別で取りラーメンに入れていますが、本店同様、いわゆる背脂チャッチャ方式(背脂のブロックを平ザルで崩しながらラーメンに振りかける)で提供。
 

ポタージュ感のあるスープ

ポタージュ感のあるスープは、豚骨、鶏に加えられるジャガイモ・ニンジン・タマネギ等の野菜によるもの。野菜類から抽出される甘みが、一般的な醤油とんこつとも背脂ラーメンとも異なる、複雑に調和した味わいを作り出します。
 

スープをたっぷりと持ち上げる中太縮れ麺

スープをたっぷりと持ち上げる中太縮れ麺。複雑なスープと背脂を受け止める十分な食べ応えとなるよう、太さや加水率を最適化しています。
 

肩ロースのチャーシュー

チャーシューは、肉の味を最大限に引き出すため、中心温度を管理し良質な肩ロースをじっくりと焼き上げ、特製ダレに漬け込んでいます。
 

環七ラーメン戦争を勝ち抜いた、ラー博出店時の醤油とんこつラーメンをぜひ味わってみてください。
 

「あの銘店をもう一度」情報

期間:2022年7月1日~約2年間(銘店シリーズ各店舗約3週間)
場所:新横浜ラーメン博物館
期間中出店数:約40店舗(現店舗除く)
第12弾:飛騨高山「やよいそば」2月21日~3月13日
“94年組”第2弾:環七「野方ホープ1994」3月2日~7月17日
第13弾:博多「元祖 名島亭」3月14日~4月3日
第14弾:函館「マメさん」4月4日~4月24日
URL:https://www.raumen.co.jp/
 

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