初代「iPhone」がオークションで数百万円、日本未発売の端末は何が画期的だったのか

未開封の初代iPhoneが、海外のオークションで高額落札される事例が相次いでいるようです。なぜ初代iPhoneがそれだけ人気なのか、現在のスマートフォンに与えた影響とその性能をあらためて確認してみましょう。

実は日本で販売されていない初代iPhone

とはいえ、当時のiPhoneには弱点も少なからずありました。現在のようにiPhoneの電源を入れてすぐ使い始めることはできず、「iTunes」をインストールしたパソコンとケーブルで接続しなければ初期設定すらできませんでしたし、文字のコピー&ペーストといった現在では一般的な操作も当初は搭載されておらず、ユーザーは都度同じ文字を打ちなおす必要がありました。
 

また当初は「App Store」がなかったのでアプリの追加もできませんでした。加えて海外では、日本のように「iモード」などモバイルインターネットサービスが普及していなかったことからiPhoneで利用しやすいコンテンツも多いとは言えず、画期的ではあるものの粗削りな部分が少なくなかったのも事実です。

現在ではiPhoneに欠かせない存在の「App Store」だが、初代iPhoneには搭載されておらずアプリのインストールなどはできなかった

そしてもう1つ、実は初代iPhoneは日本で販売されていません。その理由は通信方式にあり、初代iPhoneは現在の「5G」の2つ前となる「2G」に相当する「GSM」方式のみを採用していました。
 

日本ではこの方式を採用する携帯電話会社がなく、モバイル通信ができないことから初代iPhoneは販売されなかったと見られ、日本でiPhoneが販売されたのは3Gの通信方式にも対応した2008年の「iPhone 3G」から。それだけに、もし日本で初代iPhoneを持っている人がいたら、その人はかなり熱心なiPhone愛好家といえるでしょう。


>次ページ:初代iPhoneの性能とはどの程度なのか?

 

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