人柄、相性、ルックス、収入、そして学歴。結婚相手に求める条件にはさまざまなものがある。特に、相手の「学歴」にこだわる人は、その経歴から何を判断しているのだろうか。周りの20代女性に話を聞いた。
「学歴は人柄にも直結する要素」結婚相手に“早慶以上”を求める28歳女性
「結婚相手には、絶対早慶以上を求めます」こう話すのは、南さん(28歳/会社員)だ。彼女は“慶應一家”に生まれ、彼女自身も慶應義塾大学の文学部を卒業。現在はメガバンクに勤めている。
「今までの歴代彼氏が全員高学歴だったわけではありません。他校のサークルで出会った彼と付き合っていた時期もありました。うちは母が厳しくて、外泊を簡単に許してくれなかったので、デートはいつも昼。たまに彼とお泊りするときは『女友達の家に行く』と嘘をついていましたね」
彼女自身の好きなタイプは、活発なスポーツマンタイプ。付き合う男性に対して、学歴や収入にこだわりはなかったというが、母との会話の中で彼女の価値観が変化していった。
「社会人1年目のある日、突然母に付き合っている人のことを聞かれたんです。当時私は、体育大学卒で、人事系の会社に勤める男性と付き合っていたのですが、母はしきりに『どこの大学を出てるの?』『仕事は?』『お家は?』と彼のスペックばかりを聞いてきて。
正直に答えたら、『その男性はあなたとは合わないんじゃないの?』と口出ししてくるように。最初は『自分の好きにさせて!』と反抗していましたが、彼とけんかするたびに、『やっぱりお母さんの言う通りかも……』と思えてきて。
当時付き合っていた彼は地方出身で、奨学金で体育大学に通っているタイプだったので、根本的に私とは違う。大好きだけど結婚は考えられないな、と思うようになったんです。母にも反対されるのも嫌だし」
「やっぱり恋愛と結婚は違う」と語る南さんだが、今では彼女の母と同様に、結婚相手には“自分以上の学歴=早慶以上”を求めるという。
「学歴はその人自身の人柄にも直結すると思うので、結婚相手には大切な要素です」
「長い結婚生活を一緒に過ごせるかどうか」が大事。その判断基準は?
南さんのように結婚相手に「学歴」を求める女性は一定数存在する。一方で、相手の学歴は全く気にしない女性もいるようだ。アヤノさん(27歳/会社員)もその1人。「恋人や結婚相手に学歴は全く気にしません。それよりも大切なのは、長い結婚生活を一緒に過ごせるかどうか、という点です」
アヤノさんは、都内の広告代理店で働く27歳。交際している恋人は、同じ会社の上司である3つ上の男性だ。
「私の恋人は、今の会社に契約社員として入社し、昨年登用試験を受けて、正社員になりました。高校を卒業してからずっと働いていた彼は、仕事もできて人望も厚い。そんな彼のことを尊敬しているし、趣味も合うので一緒にいて楽しい。結婚も考えています」
アヤノさんが結婚相手に求めるのは「自分と気が合うかどうか」。さらに、こう付け加えた。
「やっぱりルックスは大事。なんだかんだいって彼は私のタイプなんです(笑)」
20~30代男女が妥協できる条件1位は「学歴」。しかし現実は……
交際&結婚相手に学歴を求める南さんと、求めないアヤノさん。対照的な意見の2人だが、同世代の20~30代は、交際&結婚相手にどのような条件を求めるのだろうか。アニヴェルセル株式会社が全国の20~30代の既婚男女416人を対象に「交際相手に求める条件」について聞いたところ、1位は「優しさ(64.7%)」、2位は「人柄(63.0%)」3位は「相性(61.1%)」という結果になった。また、「結婚相手に求める条件」についても、1位「優しさ(63.0%)」、2位「人柄(60.3%)」、3位「相性(58.7%)」で同様の順位に。アヤノさんのように相手の内面を重視する人が多いようだ。
「婚活と就活は一緒」女子大生とその親が結婚相談所に訪れるワケ
しかし、交際&結婚相手に「学歴」を求める人(特に女性)は本当に少ないのだろうか。南さんのように「学歴」などのステータスにこだわる女性は、今も昔も一定数存在するのではないか……? 筆者がそう考えてしまうのは、こんな話を聞いたからだ。先日、入会に“学歴収入審査”がある結婚相談所の取材をしたときのこと。取材を終えて帰ろうとすると、20歳くらいの女性と、50代後半くらいの女性が相談所に入っていくのが見えた。
2人とも取材先の結婚相談所のメイン層からは大きく外れる年齢だ。不思議に思い、取材を担当してくれた婚活カウンセラーに尋ねてみると、こんな返答があった。
「女子大に通う大学生とそのお母様です。就活を終え、お母様と一緒に結婚相談所を訪れる学生も多いんですよ。婚活と就活は一緒ですから」
カウンセラーは当然のように言ったが、筆者はかなり驚いてしまった。話によると、ハイステータスな男性と早く結婚するために、結婚相談所に登録する女子大生は一定数いるのだという。
就活と同じように、学歴を相手選びの基準にしている女性は一定数存在する。しかしその中には本人の意思とは別に、恋人を親に認めてもらえず、結婚相手の条件に「学歴」を加えた……という声もある。
さっきの女子大生は、本人の意思で結婚相談所を訪れたのか。それとも……。改めて「結婚相手の条件」とはなにか、考えるきっかけになりそうだ。
※回答者のコメントは原文ママ
【おすすめ記事】
・自分より稼げる女性は「嫌だ」から「ありがたい」へ! 婚活市場で「働く女性」がモテる理由
・妻に「仕事と子育てを両立してほしい」男性は過去最多。DINKsに専業主婦…女性3人の現実的な選択と本音
・17万円で審査制の結婚相談所に入会した27歳OL。3人とお見合いしたが…
・結婚相手に「年収600万以上」は高望み? 玉のこし婚を諦めた女性のリアル
・コロナ禍で「稼ぐ男」の意識が激変!? 年収1500万男性の事例に見る婚活市場の最新トレンド
【関連リンク】
・アニヴェルセル総研