お正月本番はソルラル
さて、筆者は、あっさりした韓国の1月1日では新年を迎えた気になれず、かといって、旧正月のソルラルは在韓生活が長くなれども、なかなかこれをハレの日の肌感覚で自分のものにできずにいる。なので毎年1月1日には、あの日本独特の年末年始の雰囲気を味わいたいがために帰国する派であったが、まだコロナ禍であることだし、高齢の両親を気遣い2022年も在韓で過ごすことにした。が、どうしても年末年始を自宅で過ごすのは寂しい。そこでホテルを予約することにした。試しに韓国のインフルエンサーたちが日の出スポットとして写真をUPしている人気ホテルを検索してみる。既に予約でいっぱいだ。ならば、スキー場はどうだ。やはり満員御礼。ソウル市内のホテルはどうだ。2022年は12月31日が土曜日ということもあり、2021年のこの時期と比べるとルームチャージが高いことにまず驚いた。ホテルの人に話を聞くと、それでも予約状況は順調とのこと。年末はホテルに集まりプチパーティーをする若者もいるそうで。
ソルラルは日本でいうお正月、つまり日本の年末年始のように、皆実家で静かにゆっくりと過ごすときなのであるから、むしろ遊びに出かけたり家族旅行をしたりできる正月はシンジョン(新正月/新暦の1月1日)の方ということか。
筆者は、結局ソウル市内の某ホテルを予約。そこを疑似実家と定め、『NHK紅白歌合戦』を見ながら2022年を終え、『ゆく年くる年』を見ながら新年を迎えることにした。
お正月が2度あるってお得!?
ところで、旧正月を祝うのだというと、なんだかんだ正月を2度繰り返すようでいいな、と思った人はいないだろうか? 韓国のソルラルは(特に女性は)各家庭でやるべき祭祀(さいし)の準備なども数多くあるため、決して浮かれ気分でいられるわけではない。ただ、筆者などは、「どうせ新暦と旧暦どちらも過ごすなら2回分をうまく利用する手はない! しめしめ」という気持ちがあるものだから、「今年の目標」なるものに関してはついつい怠けてしまう。毎年新年には気持ちも新たに目標を立て計画通りに実行してはみるのだが、それは決まって数週間ほどで挫折するので、ソルラルの時期にもう1度やり直すというせこいまねをするのがここ数年の習わしとなっている。こんな旧正月の利用の仕方をするのは外国人である私ぐらいのものかと思い、韓国の友人らに話してみたところ、意外にもみんな「それ、やる」と賛同してくれたので、この目標リベンジの術はアリの技らしい。
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