All About編集部は、全国の10〜60代の男女268人を対象に、「小説」についての独自アンケート調査を実施しました(調査期間:2022年10月17日〜11月17日)。今回は、その中から「好きな日本の女性小説家」ランキングを発表します。
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第3位:吉本ばなな
第3位は、吉本ばななさん。1988年の短編集『キッチン』(福武書店)でデビューし、その後『TUGUMI』(中央公論社)、『白河夜船』(福武書店)などの作品を刊行。若い女性を中心に大ブームを巻き起こし、“ばなな現象”と呼ばれました。国外では、特にイタリアでの人気が高く、独特の世界観と“死”やさまざまな形の“家族”を扱うテーマが世界中で支持されています。回答者からは、「デッドエンドの思い出が好きですが、吉本ばななさんの作品は温かみがありストーリーが濃く読み応えがあり率直に面白いので好きです(44歳男性)」「お気に入りの作品は『キッチン』です。人間の儚さと優しさに触れることができます。読み終えた後に心が温まる作品が多いため好きです(21歳女性)」「どの作品も心温まるものばかりで、『よしもとばななさんの作品に癒されよう』と思うときが定期的に訪れます。私の人生にはなくてはならない作品たちです(31歳女性)」など、心が温かくなるストーリーに癒されるという声が集まりました。
ほかにも、「青春の淡い感情が繊細に描写されているから。好きな作品は『TUGUMI』(36歳男性)」「孤独を感じている時に読むと共感とじんわりとした温かさを感じる作風が好きです(30歳女性)」「夢の世界にいるような、不思議な世界を味わえるところが読んでいて楽しいのと、変わり者の自分でも、生きていていいよというあたたかいメッセージが、どの本からも伝わってくるため。花のベッドでひるねして(52歳女性)」などのコメントが寄せられました。
第2位:宮部みゆき
第2位は、宮部みゆきさん。長編推理小説『理由』(朝日新聞社)が直木賞を受賞したほか、国内の数々の賞を受賞。多彩なジャンルを執筆し、『模倣犯』(小学館)や『ソロモンの偽証』(新潮社)など数々の作品がドラマ化・映画化されています。現在は直木賞をはじめとする文学賞の選考委員を務め、日本の文学界をけん引する存在に。回答者からは、「登場人物が男女問わず心理描写が巧みで、どんな作品でも面白いから(51歳男性)」「人の心情や人となりなど、人間を描くのがめちゃくちゃうまいから(39歳女性)」「読みやすく、登場人物に共感でき、時には尊敬する。人物描写に説得力がある。『三島屋変調百物語』シリーズはずっと読み続けられる魅力がある(54歳女性)」など、登場人物の心理描写が繊細で共感できるという声が多数ありました。
ほかにも、「火車を読んだが、面白すぎて徹夜した(49歳男性)」「ほっこりした時代小説の世界観が秀逸で、眠れない夜に読むのにぴったりだから(43歳女性)」「新しい作品が出るたびに必ず買います。デビュー作から欠かさず読んでいます。特に、初期の作品である『我らが隣人の犯罪』は何度読み返し、何冊買ったことか。収録作の中で特に『サボテンの花』が大好きで、ストーリーを知り尽くしているのに毎回泣きます(52歳女性)」など、ミステリーや冒険といった多彩なジャンルの全てが面白いというコメントも。
第1位:湊かなえ
第1位は、湊かなえさんでした。11月23日公開で話題を呼んでいる映画『母性』をはじめ、数々の作品がドラマ化・映画化され、幅広くファンを獲得。読んでイヤな気持ちになるミステリー“イヤミス”の代表的な作家として人気を集めています。回答者からは、「イヤミスというジャンルにハマるきっかけとなった作家さんです。『告白』がとても有名ですが、様々な宝石を題材にした短篇集『サファイア』も日常生活では実際に体験することのないような後味の悪さが描かれていて好きな作品です(33歳女性)」「Nのためにで湊かなえ作品を初めて読んで、純愛ミステリー好きになりました。今までミステリーはあまり読まなかったのですが、湊かなえ作品のイヤミスは癖になります(27歳女性)」「読み終わった後に、切ないけれどどことなく心の1点が温かくなる部分があり、その感覚が病みつきになるから。私は特に『Nのために』が好きです(39歳女性)」など、湊かなえさんの作品をきっかけに“イヤミス”が病みつきになってしまったとの声が多く集まりました。
さらに、「ミステリー小説、推理小説と言えば湊かなえさんの名が1番に上がるほど世界観が好きです。誰しもが持っている、奥底にある闇の感情を上手に表現されていて深く考えさせられます(24歳女性)」「人間の嫌な部分を見せるのが得意な作家さんだと思います。それぞれの登場人物ごとの視点から気持ちが書かれているのも面白いです。好きな作品は花の鎖です(49歳女性)」「衝撃的な展開を日常生活に溶け込ませている(26歳女性)」など、誰もが共感できるような人間の嫌な部分の描写が巧妙という声がありました。
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※回答者のコメントは原文ママです
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