「収得」の意味とは? 「拾得」との違いや対義語、正しい使い方、例文を現役アナウンサーが解説

よく似た熟語のうち「収得」と「拾得」がありますが、対義語はご存じでしょうか。「収得」「拾得」の正しい意味や使い分け方を具体的な例文とともに解説しながら、対義語が何かも解説します。

「収得」の意味とは? 「拾得」との違い
「収得」の意味とは? 「拾得」との違いは?

読み方(発音)が同じ言葉を同音異義語と言います。一方で、「収得」と「拾得」のように、使われている漢字が似ている場合、意味を混同しやすくなるため注意が必要です。

今回は「シュウトク」と読む「収得」と「拾得」について、正しい意味や使い分け方、対義語などをフリーアナウンサーの笠井美穂が解説します。

<目次>

「収得」の意味とは 
「収得」と「拾得」の違い
「収得」と「拾得」を使った例文
「拾得」の対義語について
「収得」「拾得」は同音異義語! 意味で使い分けよう

「収得」の意味とは 

「収得」とは、何かを手に入れたり獲得したりすることを意味します。

具体的には、知識や技術、経験、資格などを習得したり、物やお金を得たりすることを指すことがあります。また、目標や成果を達成したり、目的を果たしたりすることも「収得」と言えます。

「収得」と「拾得」の違い

「拾得」は、物を拾って手に入れることを意味します。具体的には、道端や地面などで見つけた物を拾って所有することを指します。

「収得」と「拾得」には共通して「得(とく)」の字が使われています。しかし、これは「取得」や「得点」などとあるように「手に入れる」という意味です。

この「得」に、「収得」では「取り入れる」「取りこむ」「おさめる」という意味の「収」があわさっています。一方、「拾得」では、「拾う」という意味の「拾」が関係しているため、意味に差が生じます。

つまり、ただ拾い上げるだけなら「拾得」何かを自分の物として手に入れる場合は「収得」となります。

「収得」と「拾得」を使った例文

実生活において「収得」や「拾得」は、正式な文書などで専門的に使われることの多い言葉です。日常会話で耳にすることは少ないかもしれませんが、以下に具体的な例文を示します。
 
「収得」の例文
 ・新たに発行された株式を収得する。
 ・所得税など、個人や法人の収入にかかる税は収得税に当たる。
 ・1000円札を偽造し、コンビニでの支払いに使おうとしたとして、収得罪で男が逮捕された。
 
「拾得」の例文
 ・駅の構内で拾得した落とし物や忘れ物は、事務室までお届けください。
 ・警察に届けられた遺失物は一定期間持ち主が現れなかった場合、拾得者が所有権を取得できる。

「拾得」の対義語について

続いて対義語を解説します。対義語とは、正反対の意味を持つ言葉のことです。

たとえば「拾得」の対義語は「遺失(忘れたり、落としたりして失うこと)」となります。具体的には、「拾得物」の対義語として「遺失物」といった例が挙げられます。
 

「収得」「拾得」は同音異義語! 意味で使い分けよう

「収得」と「拾得」は読み方が同じで似た言葉に感じますが、意味が異なります。何かを自分の物とするのが「収得」で、物を拾い上げるのが「拾得」と覚えておきましょう。

使われている漢字から考えれば、それぞれの意味が分かりやすいと思います。同音異義語は混乱しやすいので、意味をよく理解しながら使い分けましょう。


■執筆者プロフィール

笠井 美穂(かさい みほ)
福岡県出身。九州大学文学部を卒業後、KYT鹿児島讀賣テレビに入社。退社後は、報道番組を中心にフリーアナウンサーとして活動。これまでの出演は、NHK北九州放送局『ニュースブリッジ北九州』、NHK BS1『BSニュース』、NHK Eテレ『手話ニュース』、NHK ラジオ第1『NHKきょうのニュース』『ラジオニュース』など。

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