見分けられたら天才! AとBの星と“同じ色”は次のうちどれ?【色彩感覚クイズ】

「色彩感覚」とは、色を感じ取る能力のこと。これを鍛えるには、人間の脳の光の感じ方の仕組みなど、特定の分野に偏らない色彩に関する知識が必要です。カラーコンサルタントが「色彩感覚クイズ」を出題します! 

正解は「AとB、どちらも(2)と同じ」

背景の茶色と白のグラデーションを取り払うと
背景の茶色と白のグラデーションを取り払うと……

実は、AとBは全く同じ色! AとBの見かけの色を比べると、Aは明るく、Bは暗く見えます。図の上部の背景となっている茶色と白のグラデーションを取り払うと、AとBはどちらも同じ色であることが分かるでしょう。

Aの背景はBよりも暗いので、実際の色よりも見かけの色は明るくなります。反対に、Bの背景はAよりも明るいので、実際の色よりも暗く見えるのです。背景の明るさによって、同じ色の2つの星が全く違う色に見えてしまうという現象が発生します。

これは、「色彩の錯視」の中でも「色彩の同時対比」と呼ばれる現象です。
 

色彩の同時対比ってなに?

フランスの有機化学者、ミシェル=ウジェーヌ・シュブルール(1786~1889)は、1824年にゴブランの染色工場の主監となりました。顧客から納品されたゴブラン織が希望している色と異なっているというクレームを受けたのをきっかけに、染色や色彩の研究に着手しました。

シュブルールは、使われる顔料(がんりょう)そのものには問題はなく、色彩の効果は隣接する色同士の組み合わせ、つまりコントラストによる効果が大きいことを発見し、『色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について』(1839)を執筆。シュブルールの研究は、新印象派の画家の1人であるジョルジュ・スーラ(1859~1891)に影響を与え、直観的な印象主義を体系化し、科学的な秩序に基づいた画面構築(点描画)へと導きました。

今回、出題したクイズは「色彩の同時対比」の中でも、見かけの色の明度(明るさ)が変化する現象です。視覚情報は目の網膜から視神経を経て、脳の視覚野へと伝わります。明度が違って見える現象は、脳内ではなく、網膜で生じる「明度の評価」によって生じるのではないかと考えられています。


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