8月14日は水泳の日。1953年8月14日に第1回「国民皆泳の日」が実施されたことから、公益財団法人日本水泳連盟が2014年に制定し、2020年に正式登録されたものです。
All About編集部は8月1~8日、全国の男女136人を対象に「水泳」についてのアンケート調査を実施。すると、「〇〇が辛かった…」「こんなことあったけど、あれってなんの意味があったの…?」といった、数多くの興味深い回答が集まりました。
今回はその中からいくつか抜粋し、武蔵野美術大学 身体運動文化 教授の北徹朗さんにご意見をいただきました。
冷たすぎる「地獄のシャワー」、何の意味がある?
初めに取り上げるのはこちらのコメント。
「最初の地獄のシャワーと浅いところに10秒浸かるのと目を洗うのが嫌でした」(兵庫県 女性)
「地獄のシャワー」とは、プールの前にみんなで浴びる、あの冷たいシャワー。まさに“地獄”というような冷たさで、悲鳴をあげながら浴びていた人も多いのではないでしょうか。あんなに冷たいシャワーを勢いよく浴びる必要性はあったのか……今思うと不思議な気もします。そこで、北さんに聞いてみました。
●武蔵野美術大学教授・北さんのコメント
北さん「プールの水は水泳をする人の身体に由来する汚れによって絶えず汚染を受けています。それ以外にも、空気中からの塵埃などによる汚れも特に屋外プールでは顕著です。したがって、プールの水は常に浄化し、衛生的に保たれなければなりません。
そのためには、水泳前に身体を清潔にしておくことが重要な意味を持っています。プールに入る前にシャワーなどで身体の汚れを洗い流すことは、プール水中に持ち込まれる汚染を減少させ、浄化・消毒の効果を確実にするために有効です。
水温が低いと充分に身体を洗わずに通過してしまう恐れがありますので、「地獄のシャワー」のままでは、シャワーを浴びる目的が充分に達成されていない状況が生じています。積極的に温水シャワーを設置することが望まれます。
シャワーの使用に際しては、手足や胴体など全身を洗うことは勿論、水着の中まで水を注ぐように洗浄し、水泳帽を取って頭を充分に洗うことが重要です」
なんと、冷たいシャワーでは目的が存分に果たされていないとのこと。あの“冷たさ”に意味はなかったのです。未来の子どもたちのためにも、温水シャワーの急速な普及が望まれますね。