夏は「茶氷プロジェクト」!ユニークな体験型かき氷も登場
夏の風物詩、かき氷もここではお茶が主役。静岡県全域の製茶問屋やカフェでは、数年前から「茶氷プロジェクト」と題し、7〜9月ごろにかき氷を提供しており、2022年は57軒が参加中。ルールは「静岡茶を使うこと」だけとあって、個性豊かなラインナップです。
今回試したのは、丸玉園が展開する日本茶ブランド「SANOWA(サノワ)」(焼津市)のユニークな体験型かき氷「静岡抹茶づくし」。なんと抹茶を自分で点てるところからスタート。点てた抹茶の半分は牛乳に注いで抹茶ラテに、残りには自家製カンロと混ぜて氷にかけます。食べてみると静岡抹茶の上品なうまみと渋みに感動! 自家製カンロは甘さひかえめ、すっきりした味わいなので最後までペロリと食べられちゃいます。
まるでコーヒー店! ロースター併設カフェ
このお店の特徴は、焙煎温度による味の違いを楽しめること。たとえば煎茶なら100℃か130℃、ほうじ茶なら160℃か200℃、さらに浅蒸しや深蒸しも選べます。ちなみに焙煎温度が低めだと生葉のようなフレッシュさを楽しむことができ、温度を上げると香りや旨味がアップ。せっかくなら2種類を飲み比べられるセットもおすすめ。焙煎温度別のフレーバーが用意されたお茶のジェラートも人気です。
お茶カクテルと料理のペアリングを楽しめるバー
料理とワインのペアリングは定番ですが、駿河ではこれがお茶カクテルとのペアリングに! 静岡駅から徒歩10分にある「NO’AGE concentré(ノンエイジコンサントレ)」(静岡市)は、もともとはオーセンティックなバーだった店。バーテンダーの井谷匡伯さんがお茶の可能性に魅せられて、バーという枠にとらわれず、料理とお茶カクテルのペアリングを楽しめるレストランへと進化させたそう。今回は、前菜2品と魚料理or肉料理とデザートに4種類のカクテルのペアリングがつく「嘗こゝろ」コース(1万2100円)を体験することに。
1杯目のお茶カクテルは、緑茶ジンとビール、さらにミントやレモンジュースを合わせたビアカクテル。清涼感があり、これだけでも一気に飲み干せそうですが、料理と組み合わせると味わいが変化するのがペアリングの醍醐味。トウモロコシのムースと合わせるとビールの穀物感が増し、鮎のパテは苦みが中和されてクリーミーに。赤舌平目と玉露のマリネと合わせると、カクテルのお茶感が際立ちます。
カウンター内には鉄板もあり、料理もカクテルもほぼ目の前でつくってくれるので、エンタメ的な楽しさもいっぱい。週末の午後にはスイーツとティーペアリングも提供しているとあって、最後のデザートまで隙のないおいしさです。井谷さんは「駿河をはじめ静岡県は本当にお茶の聖地。さまざまなお茶がつくられており、土地や作り手によるお茶の味わいが分かりやすくテロワールに反映されているのが魅力です」と楽しそうに話します。