晴れの国、くだもの王国、岡山県。夏は岡山を代表するフルーツである桃やぶどうが旬真っ盛り。さらに2022年は瀬戸内国際芸術祭開催でアートも盛り上がっている!岡山に行くなら今しかありません。そこで今回は「桃」と「アート」を中心に、岡山を旅するならぜひとも訪ねたい、体験したい、黄金ルートを1泊2日で巡ってきました。
大原美術館とゆかりの深い画家、モネのレシピを再現した朝食を味わう
岡山でアートを語るなら、何はともあれ大原美術館は外せません。1930(昭和5)年、倉敷に設立した日本初の西洋美術中心の私立美術館で、エル・グレコの《受胎告知》をはじめとする、世界の名画が集まっています。ゴーギャン、ルノワール、ユトリロ、ピカソ、ロダン……と誰もが知っている、今でこそ超有名作家の作品が多数展示されていますが、この美術館の設立時は同じ時代を生きていた芸術家で、当時でいえば現代アート。創設者の大原孫三郎と厚い信頼関係にあった洋画家・児島虎次郎がヨーロッパへ赴いて絵画を収集しました。なかには画家本人から直接買い付けたものもあるそうです。
収蔵作品の中には印象派の巨匠、クロード・モネの《睡蓮》もあります。この絵はモネ自身がジヴェルニーの自宅に保管していたものだそうです。児島が自宅を訪ね、日本で多くの人々に公開するために作品を購入したいと申し出たところ、モネからいくつか作品が用意され、その中から児島が選んだのが、この《睡蓮》だったというエピソードがあります。
児島の並々ならぬ思いで日本にやってきたモネの作品にちなんで、モネを満喫できる特別なツアー(プレミアムモーニングツアー~モネの朝食~)があります。開館前の美術館を貸し切って、解説員による説明を聞きながらモネの絵画を中心に鑑賞。その後、大原孫三郎の息子・總一郎が創設した倉敷国際ホテルへ移動し、「モネの朝食」を味わいます。
実はモネは大変な美食家だったそうで、自宅の庭で自らが育てた野菜やハーブを使って料理を振る舞っていたそうです。モネの実際のレシピノートが残っており、それを元にフランスの偉大なる料理人、ジョエル・ロブションが協力して再現したレシピ本まであります。そのレシピにできるだけ忠実に、さらに岡山の食材をふんだんに盛り込んだ料理をコース仕立てで提供。モネのレシピは「新鮮なものを最高の状態で味わう」という素材を大切にしたシンプルで滋味深い料理。モネの生きた時代、モネの人柄などを思いながら食べると、一段と味わい深いものがあります。
「倉敷アフタヌーンティー」で岡山フルーツを堪能
白壁の古き良き街並みが味わい深い、倉敷美観地区。散歩するだけでも楽しいエリアですが、この街を満喫しながら岡山のおいしいフルーツを優雅に存分に食べてみたいという、わがままな旅行者の欲望を満たしてくれる、魅力的なイベントがあることを知りました。8年前に始まった「倉敷アフタヌーンティー」です。岡山の誇るべきフルーツを、英国の伝統的茶会であるアフタヌーンティーにたっぷり盛り込んで、贅沢な時間を過ごすという、この上ないイベント。最初は美観地区の飲食店9店舗から始まったそうですが、現在は倉敷市内24店舗でそれぞれ趣向を凝らした個性的なアフタヌーンティーが楽しめます(※1年に2回、夏と冬に期間限定で開催)。
写真は2人分のセット。ここに飲み物も加わります。倉敷をゆっくり楽しんでもらいたいという思いから、どのお店でもドリンクは「2杯付きorおかわり自由orポットで提供」となっています。
今回訪ねたのは、美観地区の川沿いに店舗を構え、フルーツパフェが人気の店「くらしき桃子 総本店」。江戸時代の蔵をリノベーションしたアンティークな雰囲気の店内で食べられる豪華なアフタヌーンティーセットを堪能! 「くらしき桃子」の母体は、長年果実の生産と販売に携わり、農家の栽培技術と環境を大切に本物を見極めてきた会社で、フルーツの目利きのプロ中のプロ。旬の一番いい状態のフルーツが、パフェやフルーツサンド、ケーキ、サラダ、ブルスケッタなどにドレスアップして続々と登場し、しかも桃は食べ放題!まるで岡山のアイドルが勢ぞろいでメリーゴーランドに乗ってやって来た、とでも思わせるような心ときめく眩さです。素材そのものの瑞々しい甘み、香りを存分に味わえる、至福の時間でした。
※2022年夏の開催は7月1日〜9月30日まで。(桃のシーズンは8月下旬くらいまで)
※開催店舗やメニューの詳細は倉敷アフタヌーンティー公式サイトを参照。
居酒屋でほろ酔い後は、イルミネーションをそぞろ歩き
夕食は、岡山市内へ移動。多くの飲食店が軒を連ねているので迷うところですが、今回向かったのは岡山駅前の大衆居酒屋「鳥好 駅前本店」。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に掲載されたこともある居酒屋だそうで、1階は100席ほどある大箱店にも関わらず、オープンすればあっという間に満席に。手頃な値段で気軽に楽しめるため、地元客にも旅行者にも大人気の様子。ずらりと並ぶメニューも豊富で、お刺身、天ぷら、焼き鳥など、何を頼もうか迷ってしまいます。
ここでまず注文しておきたいのは、岡山居酒屋の定番メニューである「とり酢」。茹でた鶏モモ肉に、春雨や玉ねぎ、青ネギなどが入っており、さっぱりとした自家製のたれで和えたもの。食べると食欲が刺激され、よしっ!飲むぞ!という戦闘態勢に入れます。
・鳥好 駅前本店
岡山県岡山市北区本町5-8
Tel 086-233-1969
さて、程よく飲んだところで、岡山の夜の街をのんびり散策してみましょう。繁華街の中心を流れる西川沿いの西川緑道公園や、岡山城の近くにある石山公園などには、趣向を凝らしたイルミネーションが施され、一味違った雰囲気を楽しめます。
西川緑道公園の2022年のテーマは「夜祭り」。風鈴や花火など、夏らしいモチーフを取り入れたライトアップで情緒を演出しています。浴衣で街歩きできるプランもあるので、ぜひお試しを。
「西川夏あかり」は、西川緑道公園で、8月31日まで開催。点灯時間は18:30〜22:00
「旭川 星降る川辺の物語」は石山公園周辺、鶴見橋、月見橋で11月27日まで開催。(点灯時間は季節で変わります)
>2日目は桃狩りにマスキングテープの祭典、そして「日本一のだがし」!
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