新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)では2024年に迎える30周年に向けて、7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトがスタートしました。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけ3週間のリレー形式でラー博に出店する、ラー博史上最大のプロジェクトです。
第1弾の和歌山「井出商店」に続く第2弾(7月22日~8月11日)は、創業90余年の歴史を持つ福島・会津「牛乳屋食堂」が出店します(画像は提供、一部筆者撮影)。
「牛乳屋食堂」は90余年続く会津ラーメンの銘店
第2弾として出店する会津の老舗「牛乳屋食堂」は、2009年3月6日から2010年2月28日の間、ラー博に出店していました。福島県には喜多方と白河という有名ご当地ラーメンがある中で、昭和初期からの食堂文化を受け継ぎ、ラーメンとカツ丼という2大名物があるという点などを鑑み、同店をラー博に誘致したそうです。
当時、首都圏においてまだ紹介されていない、地域に根ざしたラーメン文化をもつエリアの店舗を期間限定で紹介していく「Discover郷土ラーメン Raumen Explorer みんなのふるさとラーメン」企画の1軒として出店しました。
「牛乳屋」なのになぜラーメン?
年号が大正から昭和へと移りゆく時代、会津鉄道芦ノ牧温泉駅(旧:国鉄上三寄駅)の駅前に牛乳屋として創業しましたが、初代のキヨノばあちゃんが当時隣に住んでいた中国人から本場の支那そばの技術を学び、ラーメンを提供しはじめたことから屋号が「牛乳屋食堂」となりました。
創業から90余年、数あるラーメン店の中でもこれほど歴史がある店舗は多くはありません。しかも、4代すべて女性であることも特徴です。
「牛乳屋食堂」が提供する会津ラーメンとは
会津のラーメンは豚骨・鶏ガラなどと魚介、野菜などでスープを取っています。全国的に有名な喜多方ラーメンと会津ラーメンは似ていますが、「会津」の方が鶏の割合がやや多めで優しい味わいと言われています。
牛乳屋食堂のラーメンは、地元の老舗の風味豊かな醤油を使用し、煮干し・豚・豚ガラ・鶏ガラ・野菜のシンプルな郷愁漂うあっさりとしたスープ。多加水熟成のぷりぷりとした麺は、手切り・手揉み極太麺と手揉み中太麺の2種類から選べます。
極太麺は約1cm幅と全国的に見てもかなりの太さです。今回の出店では、この極太麵を食数限定で販売します。
一緒に食べたい会津名物・ソースカツ丼&煮込みカツ丼
会津には「ソースカツ丼」と「煮込みカツ丼」の2種類の「カツ丼」が存在します。戦後、会津では食堂が増えるとともに「ソースカツ丼」が名物となり、「煮込みカツ丼」も誕生しました。
「伝統会津ソースかつ丼の会」という組織が立ちあがるほど、カツ丼は地域に密着した食べ物です。
牛乳屋食堂のカツ丼は、福島県内産の豚肉を使用しています。ソースカツ丼は「全国丼グランプリ2018」で金賞を獲得。煮込みカツ丼はラーメンのスープ出汁と特製ソースで煮込んでいます。
牛乳屋食堂では、カツ丼とラーメンを一緒に頼む人が7割以上を占めるほどの人気だそう。今回の出店では、各カツ丼を食数限定で販売します。麺が2種類、カツ丼が2種類あるので、3週間の出店期間中に2度は行きたいですね!
「あの銘店をもう一度」プロジェクトについて
1994年3月6日、「全国各地のラーメンを飛行機に乗らずに食べに行ける」をコンセプトとしてオープンした新横浜ラーメン博物館。以来、50店舗がラー博に出店しました。
札幌味噌ラーメンに革命を起こした札幌「すみれ」、ご当地ラーメンブームの火付け役となった和歌山「井出商店」、国産小麦の自家製麺、厳選素材の基盤を作ったパイオニア「支那そばや」など、ラーメン業界に多大な影響を与え、ラーメン史に名を残す、そうそうたる顔ぶれが名を連ねます。
2024年に30周年を迎えるにあたり、ラー博がここまで続けてこられた理由は、歴代ラーメン店の魅力にあると改めて感じ、「お客さまにいま一度、その魅力と価値をご紹介したい、各店のラーメンをもう一度この場所で味わっていただきたい」と考えたところから、「あの銘店をもう一度」の構想がスタート。
2022年7月、ついにラー博史上最大のプロジェクトが始動しました。約40店舗の歴代ラーメン店が2年間かけ3週間のリレー形式でラー博に出店します。
第3弾は埼玉川越「頑者(がんじゃ)」が出店予定です。
「あの銘店をもう一度」情報
期間:2022年7月1日~約2年間(各店舗約3週間)
場所:新横浜ラーメン博物館
期間中出店数:約40店舗(現店舗除く)
第1弾:和歌山「井出商店」7月1日~21日
第2弾:福島「牛乳屋食堂」7月22日~8月11日
第3弾:埼玉「頑者」8月12日~9月1日
URL:https://www.raumen.co.jp/
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