2022年5月19日から「個人向けデジタル化資料送信サービス」(個人送信)を開始した、国立国会図書館。著作権法の一部を改正する法律(令和3年法律第52号)によって、絶版などの理由から入手しにくい貴重な資料約153万点をオンラインで閲覧できます。

手軽に、幅広い時代の作品を閲覧できるのが魅力です。そこで本記事では、個人送信で読める「明治時代」の絶版資料の一部を紹介します。
 

(1)『月刊食道楽』

『月刊食道楽』第1巻第1号(公益財団法人 味の素食の文化センターより)

月刊食道楽は、明治38年(1905年)から刊行されていた日本初のグルメ雑誌。明治時代に大ベストセラーとなった、村井弦斎の小説『食道楽』に影響を受けているといわれています。

掲載されているのは「季節料理」のレシピや、「うまい物案內」と称した飲食店のレビューなどさまざまです。ユーモアあふれるエピソードも見られ、当時の食文化や空気感を感じながら楽しめます。
 

(2)『團團珍聞』

團團珍聞(まるまるちんぶん)は、明治10年(1877年)から刊行されていた「マルチン」と呼ばれる週刊の風刺雑誌です。

自由民権運動のさなか、藩閥政府を皮肉った内容が注目され、1880年には約26万部を販売するほどの人気を博しました。ユニークな挿絵が多く、当時の服装などから時代の雰囲気を感じ取れます。
 

(3)『東京パック』

『東京パック』第2巻第5号(山田書店美術部オンラインストアより)

東京パックは明治38年(1905年)から刊行されていた、日本初のカラー漫画雑誌。近代漫画の先駆けであり、日本では初の職業漫画家とも称される「北沢楽天」が中心として描いていました。

風刺漫画が多くみられ、全ページカラー印刷や英語・中国語が併記されている点も特徴です。当時としては革新的で、ベストセラーとなりました。現代の感覚でも楽しめます。
 

(4)ホトトギス

『ホトトギス』最新刊1507号(ホトトギス公式サイトより)

明治30年(1897年)から刊行されている、俳句雑誌『ホトトギス』。2021年には、1500号が出版されました。正岡子規の友人・柳原極堂が創刊したものです。

正岡子規の選んだ俳句などが掲載されています。1905年には夏目漱石の小説『吾輩は猫である』が読み切りとして発表され、連載に至りました。挿絵のあるオリジナルの『吾輩は猫である』を読めるのが魅力です。
 

(5)文学界

明治時代の『文学界』は、1893~1898年まで発行された月刊文芸雑誌。ヨーロッパからの影響を受けている「ロマン主義文学」を推進したといわれています。

五千円札の図柄に採用された「樋口一葉」の作品も寄稿されています。1893年に発表された小説『雪の日』が最初です。ほかにも、島崎藤村や田山花袋などの作品を読めます。


以上、インターネットで無料で読める「明治時代」の絶版資料をピックアップしました。なお、サービスを利用するには利用者登録(本登録)を行う必要があります。本人確認書類などの提出も必要。登録完了には数日間かかりますので、見たいと思ったときにすぐに利用できるよう、予めの本登録をおすすめします。


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