認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」が行った調査によると、2021年の移住相談者・セミナー参加者は4万9514件と過去最高の相談件数を更新しました。
今回は、移住者の割合で安定して22%程度を保つ40代に人気の移住希望先はどこなのか、同センターの窓口相談者アンケートの結果をもとにランキング形式で紹介します。
3位は、30代でも2位を獲得! コスパの良い暮らしが実現する「福岡県」(7.2%)
20~60代までの各世代でトップ10入りしたのが福岡県です。中でも、30~40代ではトップ3に入る「移住希望県」であることが分かります。
50代ではトップ3を逃したものの4位。首都圏から離れても住みたいその理由は、「物価の安さ」と首都圏にはない「コンパクトな便利さ」のようです。
福岡県の消費者物価地域差指数は全国で4番目に低く「物価が安い」ことで知られますが、物価だけでなく都市中心部を選んでも家賃が比較的リーズナブルで初期投資額のコスパが良いことも移住へのハードルを下げる要因になっています。
もう1つの魅力は、福岡空港から博多駅まで、駅から市街地まで、市街地から海まで、と生活環境からリフレッシュ空間までの全ての距離が近いコンパクトな都市であること。
空港までも近く、空港から国内、国外への移動もスムーズ。国内線、国際線ともにの格安航空のLCC路線も豊富で、都内との行き来を考えてもコスパの良い暮らしが実現するとあって、フットワークの軽い世代から支持を集めています。
2位は、リモート勤務、テレワークの拡大で需要高まる「長野県」(7.2%)
30代、60代で3位を獲得し、移住希望地としてどの世代からも人気のあるのが長野県。
8の県と隣接し、関東にも関西にも移動がしやすいこと。県土の約8割を占める雄大な自然とともに暮らしが営めること。移住者が多く、移住後なじみやすいこと。
このように移住へのハードルが低いうえに、県や市町村独自の移住支援制度が設けられており、サポートも充実しているため、移住者数の推移を見ても、毎年移住者が増えています。
2020年には都内への転出者数を転入者数が上回る「転入超過」が起きるなどコロナ禍におけるリモート勤務などでさらに需要が高まっている可能性が考えられます。
1位は、都心へのアクセスも抜群! 不動の人気「静岡県」(12.5%)
3位の福岡県、2位の長野県が僅差の勝負だったのに対して、1位の静岡県は2桁台の支持を得る安定人気でした。
移住窓口相談者の移住希望地ランキングでも70代では2位だったものの、それ以外の全ての層から1位を獲得し、まさに「不動の人気地位」を築いている静岡県。
特にコロナ禍で東京の一極集中が鈍化しつつあり、テレワークや大学等のリモート授業、ワーケーションなど暮らし方の選択肢が広がったことで、地方に目を向ける人が増え、新幹線の通る三島市や熱海市は転入超過となっています。
実際に静岡に移住した人のデータをひも解くと、関東近県からのIターンが8割を占め、仕事や観光で訪れて魅了され、1年以内に移住に踏み切る人が多いようです。
雪が少なく温暖な気候も人気の理由。果物もおいしく、毎日富士山が見られるとあって移住後の満足度も高く、これからも、静岡の人気は続きそうです。
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